NFC物理層の動作データを「初めて」定量的に測定する量産ライン用テスタ:テスト/計測 NFC
ライトポイント・ジャパンは、スマートフォンなどに内蔵されたNFC(近距離無線通信)機能を、生産ラインで試験するための装置「LitePoint IQnfc」を発表した。「生産ライン向けで、NFC物理層の動作データを定量的に測定できるテスト装置は初めて」と、同社は主張する。
ライトポイント・ジャパンは2014年7月17日、東京都内で記者会見し、スマートフォンなどに内蔵されたNFC(近距離無線通信)機能を、生産ラインで試験するための装置「LitePoint IQnfc」を発表した。「生産ライン向けで、NFC物理層の動作データを定量的に測定できるテスト装置は初めて」と、同社は主張する。
スマートフォンなどのモバイル機器には、さまざまな機能が搭載されている。決済や個人認証のために利用されるNFC機能もその1つだ。調査会社によれば、2015年までに販売されるNFC対応のスマートフォンは8億6300万台に達すると予測されている。
ライトポイントのマーケティング担当副社長を務めるCurtis Schmidek氏は、「現在は生産ラインにおけるNFCのRF試験が、単純な合否判定だけで済まされている。たとえ合格した製品であっても、不合格に近い特性の機器も出荷されている。NFCの信頼性をさらに高めていくには、機器の生産ラインにおいても、NFC物理層の動作データを定量的に測定する必要がある」と話す。
IQnfcは、PCやユニバーサルテストヘッドと組み合わせて用いる。ユニバーサルテストヘッドに被測定物を近づけると、共振周波数や信号波形特性、データレートなどの測定を行うことができる。しかも、NFCの「Type A」、「Type B」、「Type F」およびNFCデバイス同士で通信を行う「P2P(ピアツーピア)」など、全ての通信モードに対応している。テスト時間は1台当たり3〜5秒と速い。テストプランエディタを使うと、測定を行うためのセットアップも短時間で行うことができるという。
同社によれば、検査に必要となる運用コストも抑制できるという。例えば、「これまでは数日を要していた検査システムの設定が、IQnfcだと数時間で完了する」、「これまでは数時間要していたオペレータの教育が、IQnfcは数分で習熟できる」、「これまでテスタへのデバイス挿入は複数回に分けて行っていたが、IQnfcは1回で済む」といった具合だ。
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