東芝の次世代パワー半導体はSiCとGaNの並行展開:ビジネスニュース 企業動向
東芝は2014年8月、ディスクリート半導体事業における製品戦略を発表し、次世代パワー半導体として、SiC(炭化ケイ素)デバイスとGaN(窒化ガリウム)デバイスの双方でビジネス展開していくなどの方針を示した。
東芝は2014年8月26日、ディスクリート半導体事業における製品戦略を発表し、次世代パワー半導体として、SiC(炭化ケイ素)デバイスとGaN(窒化ガリウム)デバイスの双方でビジネス展開していくなどの方針を示した。
東芝のディスクリート半導体事業は、主に小信号/オプト(光)デバイス系ビジネスとパワーデバイス系ビジネスの2つで構成される。
生産拠点をさらに増強へ
小信号/オプトデバイスについては、「需要が2013年来好調」(東芝)とし、各製造拠点でフル稼働の操業を行っているという。オプトデバイスのフォトカプラでは「4年連続世界シェア、ナンバー1を維持している」と主張し、タイの後工程製造拠点である東芝セミコンダクタ・タイを拡大させて、生産性を向上させるなどしさらなる事業拡大を狙う方針。
パワーデバイスビジネスでは、注力製品のMOSFETで、市場拡大が見込まれる中国の産業機器分野や国内の車載機器分野への対応を強化する方針で「既に車載機器は次世代品の受注を獲得した」と順調にビジネスが拡大していることを示唆。引き続き8インチウエハーラインを持つ前工程製造拠点である加賀東芝エレクトロニクスの能力増強を進めるという。
またシリコンに代わる新素材を用いた次世代パワーデバイスでは、社会インフラ事業などパワーデバイスを使用するシステムを手掛ける東芝グループ内の部門と連携して強化する。高耐圧・高周波分野に対しては、SiCを用いたパワーデバイスを展開し、超高周波分野に対しては、GaNを用いたパワーデバイスを展開し、「今後の拡大市場においてリードしていく」(東芝)とした。なお、GaNパワーデバイスについては、白色LEDで採用している「GaN on Silicon技術」(関連記事:東芝 GaN on Silicon技術を米社から買収、白色LEDとGaNパワー半導体を強化へ)を横展開する。
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