電子看板と連動したデータ送信も――広がるBeaconの用途:CEATEC 2014(2/2 ページ)
アプリックスIPホールディングスは、「CEATEC JAPAN2014」(シーテック ジャパン/2014年10月7〜11日)で、Bluetooth Low Energyを使用したビーコンの応用事例を紹介した。電子看板と連動した情報配信をはじめ、商品タグ、電子認証機能付きスタンプラリー、入出退室管理などさまざまなビーコンの活用方法をデモを交えて提案した。
なりすましなどの不正対策サービス
またアプリックス独自のBeaconソリューションとして、基本的な構成のBeacon端末製品「MyBeacon 汎用型 MB004Ac」を使った認証付きスタンプラリーのデモを行った。
Beaconを使ったスタンプラリーは、既に一部のショッピングセンターや展示会などで行われるなどBeaconの代表的な活用方法になっている。だが、インセンティブとして換金性のあるようなポイントが付加されるようなスタンプラリーの実施は少ない。その理由の1つとして挙げられるのが、「なりすましBeacon」の危険性。現状のBeacon技術では、同じデータを発信するBeacon端末を複製し不正利用する「なりすまし」を排除できず、大きな損害を被る可能性がある。
これに対し、アプリックスは、なりすましBeacon対策用に電子認証システムを開発し、サービス提供を開始している。同システムは、Beacon端末とスマホなどクライアント側が通信した際に、クライアント側が、クラウド上の電子認証サーバにアクセスし、秘密鍵を用いてBeacon端末が正しい端末かどうかを認証するもの。このシステムを活用することで、なりすましを防ぐことができる。
振動センサー付きBeaconタグ
この他、アプリックスでは、面倒な設定なく無線の到達距離を限定できるBeacon端末や、商品タグなどの用途に向けて開発した振動した場合にのみ無線を発する振動センサー付きBeaconタグなどを展示、デモした。
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