「ようやく5Gの要件が整った」――ノキアが展望を語る:2020年の商用化を目指して(2/2 ページ)
ノキアソリューションズ&ネットワークスは「eXperience Day 2014」で、5G(第5世代)移動体通信技術などについて展望を語った。5Gは2020年の商用化に向けて研究開発が進められているものの、実際には“中身”は、ほぼないに等しい。それでも5Gの規格策定に必要な要件は「ようやく整ったところ」だとノキアは説明する。
新旧技術の“集合体”
10Gビット/秒(Gbps)のスループット、1ms以下の遅延など、5Gには多くの要件がある。赤田氏は「10Gbpsのスループットを実現するためには、直進性の強いセンチメートル波帯(3GHz〜30GHz)やミリ波帯(30GHz〜300GHz)をどうしても選ばざるを得なくなってくる。そのため、ミリ波、センチメートル波の研究開発がさかんに行われているが、5Gに必要な技術はそうした新しい技術だけではない。むしろ、5Gは新旧の技術の集合体であると考えている」と語る。
ノキアは5Gへの取り組みを含め、“1人当たり、1日1Gバイトのデータ通信”を実現すべく、パートナー企業/教育機関とも連携して共同開発や実証実験を進めていく。なお、欧州では、5Gの取り組みを共同で進めていく団体「5G Infrastructure Public Private Partnership(5G PPP)」が2013年に発足したが、同団体の議長をノキアが務めている(関連記事:5Gの実現に立ちはだかる2つの壁)。
マクロセルとスモールセル間で負荷を自動調整
ノキアは2015年に発表を予定している「ダイナミックeICIC(enhanced ICIC)」のデモを展示した。ノキア製の基地局に搭載して使用するソフトウェアだ。eICICは、隣接するマクロセル間、あるいはマクロセルとスモールセルの間で干渉制御を行う技術である。マクロセルとスモールセルの負荷を考慮しながら、ハンドオーバーオフセット(領域の拡張)の適用とABS(Almost Blank Subframe)パターンの変更を動的に行っていく。
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