ヤマハ、半導体製造拠点をフェニテックセミコンダクターに譲渡:ビジネスニュース 事業買収
ヤマハは、2015年10月にも半導体生産子会社のヤマハ鹿児島セミコンダクタを、半導体受託製造専門企業のフェニテックセミコンダクターに譲渡する。
ヤマハは、2015年10月に半導体生産子会社のヤマハ鹿児島セミコンダクタ(鹿児島県湧水町)を、半導体受託製造専門企業のフェニテックセミコンダクターに譲渡することで基本合意したと発表した。譲渡方法など具体的な内容を詰め、2015年3月に正式契約を結ぶ予定だ。
2012年からセンサーを専門に製造
ヤマハ鹿児島セミコンダクタは、ヤマハ半導体事業の国内製造子会社として1987年に設立。2012年からは、同社主力製品である地磁気センサーの専用工場に転換。2014年3月期の売上高は98億円。
ヤマハは今回、「半導体事業をファブレス化し、より機動性のある事業体として推進していく」としてヤマハ鹿児島セミコンダクタの譲渡を決定。ヤマハ鹿児島セミコンダクタで生産してきたセンサー製品については、既に取引を行っている台湾企業を中心とした生産委託先との関係を強化しウエハー工程から、組み立て、検査までを効率的に行える体制で供給を続ける方針で、台湾に生産管理拠点を設置する。なお、ヤマハは、ヤマハ鹿児島セミコンダクタ譲渡により18億円の構造改革費用が見込まれるとし、2014年10月31日に発表した2015年3月期通期連結業績予想に特別損失として折り込んでいる。
フェニテックセミコンダクターは、岡山県井原市に本社を置く半導体受託製造専門企業で、4インチ、5インチ、6インチの半導体製造ラインを有する。バイポーラプロセスやパワーデバイス用CMOSプロセスを得意とし、トレックスセミコンダクターなど主にアナログ半導体メーカーから製造を受託。ヤマハ鹿児島セミコンダクタの生産設備、人材を譲り受けることで、生産ラインの拡張を目指す意向だ。
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