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EVGがパワーデバイス製造など向けの常温ウエハー接合装置を発表SEMICON Japan 2014 開催直前情報

EV Group(EVG)は2014年11月25日、酸化膜を介さず導電性を持たせた常温直接接合を可能にする高真空ウエハー接合装置「EVG580 ComBond」を発表した。

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 EV Group(EVG)は2014年11月25日、酸化膜を介さず導電性を持たせた常温直接接合を可能にする高真空ウエハー接合装置「EVG580 ComBond」を発表した。異種基板材料の接合に適した装置で、多接合型太陽電池やシリコンフォトニクス、高真空MEMSパッケージ、パワーデバイスなどの製造用途に向ける。

 シリコン基板上に、窒化ガリウム(GaN)、ガリウムヒ素(GaAs)、インジウムリン(InP)などの異なる特性をもったIII-V化合物半導体材料を組み合わせて電子デバイスを製造することで、より高いキャリア移動度によりデバイス性能を向上させることができる。また、シリコンを通して発光させることにより光インターコネクトとルータを同時に実現するなどの利点もある。その一方で、従来のエピタキシャル成長プロセスによってこれらの材料を組み合わせることは、格子定数や熱膨張係数(CTE)の違いにより、結晶の転移欠陥を発生させ、デバイス性能を低下させることになった。

 この課題に対し、各半導体材料を最適な成長基板上に成長させ、その後ウエハー接合により組み合わせることによって、製造上の課題を軽減することができる。特に、常温直接接合は、CTEミスマッチによりさらに熱応力が発生する高温アニール工程の必要性がなくなるため、理想的な製造方法とされる。しかし、常温直接接合の場合、パーティクル汚染や自然酸化膜の影響などで、接合界面の厚みと均一性の厳密な制御が維持できないという問題を抱える。接合した材料間に、十分な接合強度と導電性を持たせるためにこうした問題の解決が不可欠だった。

エネルギー粒子を基板表面に照射


高真空ウエハー接合装置「EVG580 ComBond」

 これに対し、EVG580 ComBondは、ウェットケミカルエッチングの代わりに、エネルギー粒子を基板表面に照射することにより、汚染や酸化膜のない接合界面を実現する。また高真空プロセス環境において動作し、接合時に前処理されたウエハーの再酸化を防止するという。

 同装置はモジュール型装置で、最大5つのモジュールによる動作に対応し量産用途にも対応。対応するウエハーサイズは8インチまでとなっている。なお、EVG580 ComBondは、既に複数のデバイスメーカー、研究開発機関に出荷されているという。

「SEMICON Japan 2014」に出展

 なお、EVGの日本法人であるEV Group Japanは、2014年12月3〜5日に東京ビッグサイトで開催される「SEMICON Japan 2014」に出展し、EVG580 ComBondなどウエハー接合装置、リソグラフィ装置などの紹介を行うとしている。

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