まさにIoT向け、勢い伸ばすBluetooth 4.1:無線通信技術(2/2 ページ)
モノのインターネット(IoT)の追い風に乗って、Bluetooth搭載製品が大幅に増加している。約1年前に策定が完了したBluetooth 4.1は、低消費電力という特性に加え、多くのスマートフォンに搭載されている実績、メッシュ型トポロジの採用など、IoTの実現に適した規格となっている。
同じメッシュ型を採用するZigBee
メッシュ型を採用する無線通信技術に、Bluetoothとよく比較されるZigBeeがある。Bluetoothもメッシュ型を採用するようになったことで、両者のすみ分けはどのようになっていくのだろうか。これについてガオ氏は、「オフィスや家庭など無線ネットワークを構築する環境と、BluetoothやZigBeeの利点/欠点を考慮して、より適している方を選べばよい」として、特に明確なすみ分けを図るつもりではないことを示唆した。ただし、「(IoT向けとして)より多くのユーザーにリーチできる製品を開発できるのは、多くのスマートフォンに搭載されているBluetoothではないか」との見解を示している。
また、ZigBeeはネットワーク構築の難しさが以前から指摘されている。Bluetooth 4.1では、開発しやすいように、Bluetooth SIGのメンバー企業がソフトウェアスタックを提供している。
セキュリティやインターネット接続が鍵に
ガオ氏は、今後のBluetoothの方向性について、「電力効率の向上、セキュリティの向上、使い勝手の向上」の3つを挙げた。中でも、使い勝手の向上の1つとしてBluetooth 4.1が直接インターネットに接続できる点を強調し、これを強化すると話した。「セキュリティの向上としては、プライバシー保護に注力していきたい。IoT分野では、ユーザーのプライバシーをいかに保護するかが重要になっている。われわれは、例えばBluetoothの通信信号を利用した位置追跡などができないようにしていきたい」(ガオ氏)。
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