ソニー、メガネに装着する有機ELディスプレイ開発:ディスプレイ技術
ソニーは2014年12月17日、アイウェア装着型の片眼用ディスプレイモジュールを開発したと発表した。
ソニーは2014年12月17日、アイウェア装着型の片眼用ディスプレイモジュールを開発したと発表した。高精細カラー有機ELディスプレイを用い、メガネやサングラスといったアイウェアに装着することで、画像情報表示ができるウェアラブル端末を実現する。2015年内の量産を目指す。
開発したモジュールは、超小型高精細カラー有機ELディスプレイと、その高画質を生かす超小型光学ユニット、スマートフォン相当の演算処理能力を持つ制御基板を搭載する。モジュールの重さは約44g(ディスプレイ表示部は22g)。ソニーでは「(軽量なため)アイウェアに装着しても使用者の負担となりにくく、違和感の少ない形状の小型のデザインを可能にした」という。
0.23型で、640x400ピクセル
搭載する高精細カラー有機ELディスプレイは、ソニー独自の有機EL技術と半導体シリコン駆動技術により実現した「世界最小クラス」(同社)の0.23型のディスプレイで、640x400ピクセルの解像度を持つ。コントラストは、10000:1以上で、sRGB色域を100%カバーするという。
また、従来パネルでは画素構造として、RGBストライプ配列内に色純度を確保するための遮光部を配置していたが、新開発パネルでは、配列を最適化することで遮光部を最小化。これにより、画素サイズを小さくすると同時に開口率を向上させた。その結果、「屋外での使用に必要とされる輝度の維持と、パネル外形の超小型化(10.2×7.9mm)との両立を実現した」(ソニー)としている。
ARM Cortex-A7ベース
制御基板に搭載するプロセッサは、ARM Cortex-A7ベース。センサーとして、電子コンパス、加速度センサー、タッチセンサーを搭載し、無線としてはBluetooth 3.0 +High Speed、IEEE802.11b/g/nに対応する。バッテリー容量は400mAhとしている。
ソニーでは、開発したモジュールを用いたアプリケーションを開発するためのソフトウェア開発キット(SDK)も用意し、パートナー企業への提供を行うとしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- Google Glassを分解
スマートグラスの中で最も実用化が近いといわれる「Google Glass」。スマートグラス市場の火付け役になると期待されている。現在は、開発者向けにβ版が提供されている。では、このβ版のGoogle Glassの中身はどうなっているのだろうか。 - 電池もウェアラブルな時代に? SELが曲がるバッテリを披露
半導体エネルギー研究所(SEL)が、“曲がるリチウムイオン二次電池”を展示した。容量は300mAhほどだが、手首に巻き付けられるくらいに曲げることができる。実用化するには、まずは安全性を高めたいとしている。 - 「眼鏡と変わりない装着感」の網膜走査型スマートメガネ
QDレーザと東京大学ナノ量子情報エレクトロニクス研究機構は共同で、レーザー網膜走査型ディスプレイのウェアラブル情報端末「レーザアイウェア」の基盤技術開発に成功したと発表した。両者は、「装着感、外観ともに通常の眼鏡と違和感の無い新タイプの眼鏡型情報端末の製品化へメドを付けた」とし2015年内に製品化する方針。 - コンタクトレンズを無線ディスプレイに、SFのアイテムが現実に一歩
眼球に装着したコンタクトレンズにテキストメッセージを映し出したり、実際の風景に仮想情報空間を重ねて表示したり――そんなサイエンスフィクション(SF)のアイテムが現実になるかもしれない。 - 自宅で噴水ショー! 親子で“シンクロ”ドライビング! 「ルネサスナイト」からヒット商品は生まれるか
Makers(メイカーズ)を支援するプロジェクト「がじぇっとるねさす(通称:がじぇるね)」を積極的に進めるルネサス エレクトロニクス。Makersが同社の手軽な電子工作ボードを使って開発した作品を発表するイベント「ルネサスナイト6」では、次世代の多機能ペンライト、メッセージを送れるLED懐中電灯、子どもでも“なんちゃってドライビング”が楽しめるシステムなど、オリジナリティにあふれる作品が続々登場した。