汎用Wi-SUNモジュール、ロームがインターネットで販売開始:無線通信技術 Wi-SUN
ロームは、国際無線通信規格「Wi-SUN(Wireless Smart Utility Network)」に準拠した汎用無線通信モジュール「BP35A1」について、インターネット販売を開始した。販売ネット商社3社のウェブサイトより購入することができる。
ロームは2015年1月、国際無線通信規格「Wi-SUN(Wireless Smart Utility Network)」に準拠した汎用無線通信モジュール「BP35A1」について、インターネット販売を開始した。販売ネット商社3社のウェブサイトより購入することができる。ロームのホームページ上には、関連するドキュメント類やファームウェアも用意されている。
BP35A1は、グループ会社ラピスセミコンダクタ製の無線通信LSI「ML7396B」を搭載したWi-SUNモジュールで、2014年4月よりサンプル出荷を行ってきた。すでに月産3万個規模の量産体制を構築したことと、応用システムの開発に必要となるハードウェア仕様書やコマンドリファレンスマニュアル、スタータガイド、ファームウェアなどを提供できる体制が整ったことから、2015年1月よりインターネット販売に踏み切った。
BP35A1などのインターネット販売を開始するのは、アールエスコンポーネンツ、チップワンストップ、コアスタッフの3社。これらのウェブサイト上からBP35A1の他、アダプタボード「BP35A7」やアダプタボード用留め具「BP35A7-accessories」、マザーボード「BP359C」を購入することができる。
BP35A1は、32ビットマイクロコントローラを搭載し、HEMS(Hone Energy Management System)に適したWi-SUN対応のファームウェアを実装している。日本国内の特定小電力無線(920MHz帯)の電波法認証も取得済みである。アンテナを内蔵したオールインワンモジュールのため、高周波回路に関する十分な知識や設計の経験が少ない技術者でも、無線機能を容易に導入することができるという。
Wi-SUNは、無線LAN(Wi-Fi)に比べて、「消費電力が小さい」、「通信距離が長い」という特長があり、スマートメータや交通インフラなどスマートコミュニティの他、M2M(Machine to Machine)やIoT(Internet of Things)市場で注目されている次世代無線通信規格である。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- Wi-SUN対応の汎用無線モジュールをロームが「業界初」の製品化
ロームは2014年4月4日、国際無線通信規格「Wi-SUN」対応の汎用無線通信モジュール「BP35A1」を製品化した。ロームでは、「Wi-SUN対応の汎用無線モジュールは業界初めて」としている。 - ルネサスとADIの無線通信プラットフォームがWi-SUN認証を取得
ルネサス エレクトロニクスとアナログ・デバイセズは、共同開発したサブギガヘルツ無線通信プラットフォーム「Renesas/ADI SUN Solution for RL78 & ADF7023-J」が、Wi-SUNアライアンスのECHONET Liteプロファイル認証を取得したと発表した。 - 「2年後にはスマホにもWi-SUN」――標準化を先導するNICTがWi-SUN普及に自信
IoT(モノのインターネット)向け無線通信規格「Wi-SUN」の普及拡大を図る情報通信研究機構は、Wi-SUNの動向に関する会見を開催し、1年半から2年後にはWi-SUN搭載スマートフォンが製品化される見通しなどを示し、Wi-SUNの普及が順調に進んでいることを強調した。 - 920MHz帯、Wi-SUN普及に向けたアナログ・デバイセズの意気込み
アナログ・デバイセズはワイヤレスジャパン2013(2013年5月29〜31日、東京ビッグサイト)で920MHz帯無線、スマートユーティリティネットワーク向け無線通信仕様「Wi-SUN」対応機器の開発に向けたソリューションの展示を行った。 - 2012〜13年は目が離せない!! 新たな社会インフラ導入へ無線技術の準備整う
スマートグリッドやスマートハウスといった、新たな社会インフラを対象にした無線通信技術の準備が整い、2012〜2013年に掛けて、いよいよ機器開発の段階に移行しようとしている。キーワードとなるのは、「920MHz帯」、「IEEE 802.15.4g」、「Wi-SUN Alliance」、「ZigBee Smart Energy Profile(SEP) 2.0」、「ECHONET Lite」などだ。