ニュース
狙うは、薄い存在感!? 消費電流0.5μAのDC-DCなどを公開:ウェアラブルEXPO(2/2 ページ)
トレックス・セミコンダクターは、ウェアラブルEXPO(2015年1月14〜16日、東京ビッグサイト)に出展し、複数のウェアラブル機器向けICの新製品を公開した。
新製品の開発コンセプトは“薄い存在”
ウェアラブル特化型新製品の中でプッシュボタン リブートコントローラ「XC6190シリーズ」もユニークな製品だ。プッシュボタン リブートコントローラとは、マイコンなどが暴走、フリーズした際に、ボタン入力をトリガにして、マイコンなどにリセット信号を与え、強制的に再起動させるもの。正常動作を続ける限り、動作する必要がないICであり「“存在が薄い”をコンセプトに開発した」という。
まず、消費電流は0.01μAで、「ほぼゼロをうたえる水準の消費電流になっている」とし、サイズも1.45×1.0×0.4mmないし1.3×1.3×0.4mmの小型化を実現。さらにプッシュボタンの長押し時間を調整する抵抗を内蔵した製品(7.5秒ないし12.5秒固定品)をラインアップするなど、リブートコントローラの存在を消すべくさまざまな工夫を盛り込んだ。「こうしたコンセプトのリブートコントローラICは少なく、想定以上の引き合いを得ている」という。
その他にも、インダクタ内蔵型の独自DC-DCコンバータ「micro DC/DC」として、2.0×2.5×1.0mmサイズの降圧型50mA出力品なども参考出品した。「ウェアラブル機器市場は、ICチップの小型化技術、超小型のパッケージ技術を持つトレックスの強みが生かせる市場であり、今後もウェアラブル機器向けにより小型/高効率の製品をそろえていく」としている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 欧州市場はマイクロDC/DCコンバータ1本で攻める
一時、業績が悪化したものの、回復基調にあるトレックス・セミコンダクター。特に欧州での売り上げが順調に伸びているという。その要因として、小型と低ノイズにこだわったコイル一体型の「micro DC/DCコンバータ」を、需要のあるメーターやインフラ系の分野で着実に販売できる体制を整えてきたことが挙げられる。 - 開発メーカーに聞きたい、なぜ“ウェアラブル”なのか?
続々と市場に投入されるウェアラブル機器。大手電機メーカーも相次いでウェアラブル製品を発表している。しかし、ウェアラブル、つまり“身に着けられる”ことが「ユーザーにとって一番の利点」だと本当に考えて製品を開発しているメーカーは、どれだけあるのだろうか。 - 米国勢に負けない! 高収益アナログICメーカーを目指しトレックスが株式上場
トレックス・セミコンダクターは2014年4月8日、株式上場に伴う会見を都内で開催し、高性能アナログ電源IC分野で先行する米国メーカーと競合しながら、中長期的に営業利益率25%以上という高い収益性を目指す方針を示した。 - スマートウオッチは“歩きスマホ”を減らす?
Googleの「Android Wear」を搭載したスマートウオッチの発売が続いている。腕時計で時間を確認する感覚でメッセージを確認できるスマートウオッチは、増加する“歩きスマホ”による事故の件数を減らすことにつながるのだろうか。 - 「Nexus 6」を分解
iFixitは、2014年12月に発売されたGoogleのスマートフォン「Nexus 6」の分解を行った。QualcommのSoC「Snapdragon 805」などが搭載されている。