オシロとDMMのギャップを解消! 波形表示ができる7.5桁マルチメーター:テスト/計測(2/2 ページ)
ケースレーインスツルメンツは2015年1月、デジタルマルチメーター(DMM)の新製品として「DMM7510」を発表した。タッチスクリーンのユーザーインタフェースや波形取り込み用のデジタイザなどを新たに搭載した。
分解能18ビットで波形表示!
数字で測定結果を表示するDMMでは、リップル、過渡応答といった不安定な事象を正確に捉えることに不向きであり、波形表示のできるオシロスコープやデータロガーと組み合わせたテストが必要だった。
これに対しDMM7510は、DMMとして初めて波形表示用デジタイザを搭載し、単独で電流/電圧の波形、過渡応答の観測、解析が可能になった。デジタイザは、サンプリング速度1Mサンプリング/秒、分解能18ビットだ。「これまでも、トレンドプロット機能としてPCを介した波形表示が可能だったが、簡易的な波形表示であり、本格的な波形表示が行えるDMMは初めて。速度はオシロスコープに譲るが、分解能はオシロスコープを上回り、マルチメーターとしてのテストニーズに応じた波形が表示できる。マルチメーターとオシロスコープの中間を埋める計測器」という。タッチパネル操作で、エッジ、パルス、ウィンドウなどのトリガも簡単に設定できる。
従来より10万円以上、手ごろに
タッチパネルディスプレイのサイズは5型で、タッチパネルの操作を代替するロータリーノブも搭載する。さらにフロントパネルに、USBメモリなどへのデータ書き出しやフォームウェア更新用のUSB2.0ポートを設けるなど、PCレスでさまざまなテストが行える工夫を盛り込んだ。「メニューも基本的に2階層構造になっており、少ない操作数でテストが行える。ハイエンドモデルながら、計測器を使い慣れていない若いエンジニアや非電気系のエンジニアでも、直感的に使える」としている。
DMM7510の価格は47万8000円(税別)で「従来の7.5桁モデルよりも10万円以上低い設定になっている」という。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- “6 in 1”オシロスコープ、機能や性能を手元でアップグレード可能
テクトロニクスは、スペクトラムアナライザなど、最大で6種類の測定機能を1台の筐体に統合できるミックスド・ドメインオシロスコープ「MDO3000シリーズ」を発表した。オプションの機能やモジュールを追加すれば、測定仕様に応じた機能や性能に手元でアップグレードすることが可能である。 - 第1弾は「使いやすさ」を追求、テクトロニクスがパワーアナライザ分野に参入
テクトロニクスは、パワーアナライザ分野に進出する。「PA4000」シリーズは「スパイラルシャント(Spiral Shunt)」技術により、周囲温度が0〜40℃の環境で、電圧/電流基本測定確度は0.04%を実現する。 - もう計測器にマニュアルなんていらない! ケースレーが新開発コンセプトを発表
ケースレーインスツルメンツは2013年8月28日、ユーザーの利便性を追及する新たな製品開発コンセプトを発表し、同コンセプトをベースに開発した第1弾製品として、ソースメジャメントユニット(SMU)「2450型」を発表した。SMUとして「世界初」という静電容量方式タッチパネルを搭載し、「直感的なユーザーインタフェース(UI)であり、初めて新製品を触る人でも、マニュアルなしに5分程度の時間で操作できる」(同社)とする。 - 100GHz、240Gサンプル/秒を達成、レクロイのハイエンドオシロ
テレダイン・レクロイ・ジャパンは、最大100GHzの帯域と240Gサンプル/秒のサンプルレートを達成したオシロスコープ「LabMaster 10-100Zi」を発表した。次世代の通信システム、広帯域電子部品、基礎科学の研究などにおける信号波形の捕捉/解析用途に向ける。 - iPadで直感的に操作できる計測器、オシロなど5つの機能を1台に搭載
日本ナショナルインスツルメンツの新しい計測器「VirtualBench」は、オシロスコープ、関数発生器、デジタルマルチメータなど5つの計測器の機能を1台に搭載した製品だ。「iPad」とWi-Fiで接続し、専用のアプリを使って直感的に操作できる。