業績回復で、成長に舵を切る「新生・ルネサス」を大阪でアピール:ビジネスニュース 企業動向(1/2 ページ)
ルネサス エレクトロニクス(以下、ルネサス)は2015年1月29日、大阪市でプライベートイベント「Renesas DevCon JAPAN in OSAKA」を開催し、ユーザーら400人以上に、業績回復しつつある事業の状況と、新たな成長に向けた製品開発動向を説明した。
ルネサス エレクトロニクス(以下、ルネサス)は2015年1月29日、大阪市でプライベートイベント「Renesas DevCon JAPAN in OSAKA」を開催し、ユーザーら400人以上が参加した。
同イベントは、2014年9月に東京都内で開催された「DevCon JAPAN 2014」(関連記事)の関西版という位置付けで実施した。同社執行役員常務の横田善和氏は「前回、東京でのDevConは、大手企業ユーザーや首都圏の中小規模の企業ユーザーが中心だったため、関西地区の中小規模企業ユーザーにも“新生・ルネサス”の意気込みをアピールしたかった」と開催に至った理由を説明。内容も、中小規模企業ユーザーを意識し、車載向け以外の産業機器や家電、IT機器向け製品/技術の紹介を前面に打ち出す内容で行った。
不安を取り除くべく
イベント冒頭に行われた基調講演では、執行役員兼グローバルセールスアンドマーケティング本部副本部長を務める川島学氏が登壇し、2013年10月から取り組む「変革プラン」(関連記事)の進捗(しんちょく)について説明した。
川嶋氏は、「ユーザーの皆さまの多くは、『本当にルネサスは大丈夫か』と思っておられるだろう。2011年の東日本大震災の被災で生じた製品供給面での不安を、その後、財務業績面でも不安を与えてしまった。そうした不安を取り除くべく変革プランに取り組んできた」と切り出した。
業績回復をアピール
「財務業績面では、従来の百貨店経営から、より強いモノへの選択と集中を進め、PC/モバイル機器向けから撤退し、自動車向け、産業/家電向け、OA/ICT向けに注力領域を絞った。さらに、20カ所あった工場を9カ所に削減するなどの構造改革を行った結果、財務面はかなり改善してきた」と述べ、開催前日に公表した2015年3月期第3四半期業績予想の上方修正(関連記事)にも触れながら、業績回復をアピールした。
被災したからこそ
製品供給面での不安解消の取り組みとして、主力工場での災害リスクへの対策を進めてきた点や、万が一の被災に備えたマルチファブ体制を構築してきた点を報告。「被災した経験を持つルネサスだからこそできるリスク対策を行い、大きな安心を提供できる体制を構築した」とした。さらに、生産拠点の削減で生じた一部製品の生産中止に対しユーザーに謝罪した上で、提供する製品の供給期間計画を公表する「長期製品供給プログラム」を継続実施していくことを訴えた。
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