業績回復で、成長に舵を切る「新生・ルネサス」を大阪でアピール:ビジネスニュース 企業動向(2/2 ページ)
ルネサス エレクトロニクス(以下、ルネサス)は2015年1月29日、大阪市でプライベートイベント「Renesas DevCon JAPAN in OSAKA」を開催し、ユーザーら400人以上に、業績回復しつつある事業の状況と、新たな成長に向けた製品開発動向を説明した。
次へのステップ
続いて横田氏が基調講演に登壇し、自らが事業を統括する産業/家電、OA/ICT向け事業の最新状況について説明した。
横田氏は、変革プランが順調に進む中で、成長に向けて、新たな製品/技術開発に積極的に取り組み始めた姿勢を強調。「安定してきた経営基盤を生かし、次にステップアップする。ルネサスが持つ“強み技術”で、一歩先の世界をけん引する」とした。
“強み技術”として横田氏は、“つなぐ”“操る”“省く”“守る”の4つを挙げ、それぞれでの製品開発状況を説明。“つなぐ”では、「有線、無線ともにあらゆる規格に対応する」とし、世界最小の消費電力をうたうBluetooth Low Energy用RF ICの開発に取り組んでいると紹介。電力消費を“省く”としては、超低電力トランジスタプロセス「Sillicon ON Thin Buried Oxide(SOTB)」の開発が順調に進んでいることなどを披露した。
IoT、インダストリー4.0がターゲット
そして横田氏は「4つの“強み技術”を組み合わせて、ソリューションとしてIoT(モノのインターネット)に提供し、ステップアップする」と述べた。
特にIoTに向けたソリューションとして強調したのが、産業用通信制御をハードウェアアクセラレータで高速処理する「R-INエンジン」を搭載した製品を核としたソリューションだ。「R-INにより産業用イーサネットの処理速度を従来比10倍に高められ、リアルタイム通信が可能になる」とし、R-INエンジンを搭載したハイエンドマイコン「RZ-T1」などをベースにしたソリューションの開発状況を紹介。「ドイツを中心に提唱されている第4次産業革命、インダストリー4.0の実現に向けて生じている標準化や通信インフラ、セキュリティといった問題点に対し半導体ソリューションプロバイダーとして解決する技術を提供していく」と語った。
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