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IoT市場は自動車が中心的存在にビジネスニュース 業界動向

モノのインターネット(IoT)市場では、自動車、つまりコネクテッドカーが中心的な役割を果たすという。高級車だけでなく、ミドルクラスの車種も、無線機能を搭載するものが増えてきた。

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 IoT(モノのインターネット)は現在、大きな注目を集める技術である。自動車分野でも、コネクテッドカーが大幅に成長するという予測も、驚くことではない。米国の市場調査会社であるGartnerは、コネクテッドカーの関する予測を発表した。それによると、IoT機器の数は2015年中に49億個に達する見通しだという。さらに、2020年にはその5倍の250億個に急増すると予測している。Gartnerは、コネクテッドカーはIoT市場の中心的存在になると予想している。

 Gartnerでリサーチディレクタを務めるJames F. Hines氏は、プレスリリースの中で、「コネクテッドカーは既に現実のものになっている。高級モデルや高級ブランドの自動車だけに搭載されていたワイヤレス接続機能は、急速に拡大し、ミドルクラスの量産車にも広がっている」と述べている。

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 自動車内でのデジタルコンテンツ利用の増加に伴って、コンテンツを再生するハードウェアシステムの需要も増えている。音声や動画、ナビゲーション、車両間通信(V2V)情報といったコンテンツを処理するには、高機能のインフォテインメントシステムが必要となり、アプリケーションプロセッサやグラフィックスアクセラレータ、ディスプレイ、HMI(Human Machine Interface)など、あらゆる半導体分野でビジネスチャンスが期待されている。さらに、自動車の新しい利用方法によって、ITベースの新たなビジネスモデルが生み出される。都心部では特に、自動車を所有しない人も増えているが、他の交通手段においても同様のことがいえる。

5台に1台が無線機能を備える

 2020年には、自動車5台につき1台が何らかのワイヤレスネットワーク接続機能を備えると予想される。これは、コネクテッドカー2億5000万台以上に相当する。自動車の接続機能が増えると、テレマティックスや自動運転、インフォテインメント、モビリティサービスなどの導入も増えるだろう。

 Gartnerは、コネクテッドカーだけではなくIoT全体に関して、「2018年までは市場を独占するIoTエコシステムのプラットフォームは出てこないと予想される。企業は今、独自のIoTエコシステムの実現に向けて、論理性のあるIoTビジネスモデルや技術モデルの構築を迫られている」と述べている。

【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】

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