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半導体メーカーの設備投資――TSMCが最大か:2015年の半導体業界予測(3)(2/2 ページ)
2015年の専業ファウンドリ業界では2桁成長が見込まれるが、一方で設備投資は減少すると見られている。設備投資の金額は、TSMCが最大になりそうだ。
微細化投資の行方
IC Insightsでプレジデントを務めるBill McClean氏は、7nmプロセス技術の実用化が予想される2018年ごろに、半導体業界で大きな変革が起こると予想する。
このプロセスでは、従来のDRAMセルのキャパシタではサイズが小さすぎて十分な電荷を蓄えられないので、新たなアーキテクチャへの移行が必要になる。
2018年ごろには、2次元のNAND型フラッシュメモリの進化も打ち止めになるだろう。また、450mmウエハーでのチップ量産も本格的に始まる時期ではないかと見られている。
McClean氏は、「プロセスの微細化が進むにつれ、量産までにより多くの時間が必要になり、ムーアの法則は減速している」と指摘する。Intelは14nmプロセスの開発が当初の予定よりも半年遅れたことなどを挙げている。
【翻訳:滝本麻貴、田中留美、編集:EE Times Japan】
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