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「Snapdragon」はさらに高性能に、64ビットCortex-A72を搭載:プロセッサ/マイコン(2/2 ページ)
Qualcommは、モバイル向けSoC「Snapdragon」の新製品を発表した。64ビットの「ARM Cortex-A72」を、ARMパートナーの中で初めて搭載した製品となる。
独自コアの投入へ向けて
Qualcommは、今回の発表で何を示唆しているのだろうか。あらゆる機能を搭載したSnapdragon 620は、市場の中で最もハイエンドのモバイル向けSoCになりそうだ。では、次世代のSnapdragon 800シリーズにはどんな機能が搭載されるのだろうか。Qualcommは明らかに、32ビット「Krait」コアに続く、64ビットARMv8アーキテクチャ互換の独自コアの投入に向け、着々と準備を進めているように見える。残念ながら、現時点では、次世代のコアや製品の詳細は何も発表されていない。
Qualcommは今後、Snapdragonブランドをモバイル向けSoCとディスクリートモデムの両方の名称として使用していくという。Qualcommはこれまで、モデムには「Gobi」というブランド名を用いてきた。
モデムのクラスは、Xの後に世代番号を記載する形で示す。例えば、Cat 7対応のディスクリートモデムの場合、ブランド名は「Snapdragon X8」となり、モバイルSoCには「Snapdragon 620 with X8」のように明記される。こうした表記の変更によって、当面は若干の混乱が生じると予想されるが、既に幅広く認知されているブランド名に統一することで、Qualcommのコア製品であるモデムのクラス分けが分かりやすくなると期待される。
【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】
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