ルネサス、Bluetooth Low Energy用RFトランシーバで消費電流2.1mAを達成:無線通信技術(1/3 ページ)
ルネサス エレクトロニクス(以下、ルネサス)は2015年2月25日、Bluetooth Low Energy(Bluetooth SMART)用RFトランシーバとして「世界最小の消費電流」を実現する技術を開発したと発表した。近く、同技術を用いたマイコンを製品化する方針。
ルネサス エレクトロニクス(以下、ルネサス)は2015年2月25日、Bluetooth Low Energy(Bluetooth SMART)用RFトランシーバとして「世界最小の消費電流」を実現する技術を開発したと発表した。近く、同技術を用いたマイコンを製品化する方針。なお、今回の技術開発成果は2015年2月22〜26日に米国で開催されている国際学会「ISSCC(IEEE International Solid-State Circuits Conference) 2015」で発表された。
imecとともに「世界最小消費電力」を達成
Bluetooth Low Energyは、スマートフォンなどのモバイル機器の他、今後普及拡大が見込まれるウェアラブル機器にも広く使用される見込みだ。その一方で、Bluetooth Low Energyの送受信を行うRFトランシーバは、消費電力が大きくディスプレイなどとともに電池駆動時間を短くする大きな要因となっている。特に、ウェアラブル機器などでは、ディスプレイなどのデバイスは相対的に小さかったり、少なかったりするため、RFトランシーバの消費電力が機器全体の消費電力の大部分を占めるため、電池駆動時間を伸ばすためにはRFトランシーバの低消費電力化が最も有効な手段となる。
ルネサスは2013年から、ベルギーの研究開発機関imecなどとBluetooth Low Energy用RFトランシーバの共同開発を実施。今回のISSCCでは、スライディングIF(中間周波数)アーキテクチャと呼ぶ独自のIQ復調回路や高効率D級アンプなどの回路技術を駆使し、「世界最小」(imec/ルネサス)という受信時消費電力3.5mWの同RFトランシーバ技術を共同発表している。
ルネサス独自に消費電流抑制技術を開発
だが、ルネサスでは「imecとの共同開発では世界最小の消費電力を達成したが、ウェアラブル機器やモバイル機器での実際の使用を考えた場合、電池駆動時間に直結する消費電流をいかに抑えるかが重要だ」として、imecとの共同開発した技術をベースにしながらも、ルネサス単独で消費電流を抑える技術開発を実施し、受信時2.1mA、送信時3.5mAという「世界最小消費電流のRFトランシーバ」の開発に成功したとする。なお、imecと共同開発したRFトランシーバの消費電流は受信時3.5mA、また従来のBluetooth Low Energy用RFトランシーバの「imecによる世界最小消費電流は3.2mAだった」(ルネサス)。
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