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高周波ドライバICとGaN FETを1パッケージに集積、TIの80Vパワーステージ電源設計

日本テキサス・インスツルメンツ(日本TI)は、1個の高周波ドライバICとハーフブリッジ構成された2個のGaN(窒化ガリウム)FETを、1つのパッケージに集積したGaN FETパワーステージ「LMG5200」のプロトタイプを発表した。入力電圧は最大80V、出力電流定格は10Aである。

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 日本テキサス・インスツルメンツ(日本TI)は2015年3月16日、1個の高周波ドライバICとハーフブリッジ構成された2個のGaN(窒化ガリウム)FETを、1つのパッケージに集積したGaN FETパワーステージ「LMG5200」のプロトタイプを発表した。入力電圧は最大80V、出力電流定格は10Aである。通信装置や産業機器など48V系のスイッチング電源用途に向ける。

 GaN FETは、シリコンベースの半導体チップに比べて、高耐圧でオン抵抗が小さく、高速スイッチングに対応できる、などの特長を備えている。このため、電力変換装置などの用途で需要拡大が期待されている。ところが、GaN FETのスイッチング周波数が速すぎるため、回路基板を設計する際には、リンキングやEMIの対策が必要となるなど、専門的な知識や経験が不可欠となっていた。


LMG5200の外観

 LMG5200は、外形寸法が6×8mmのQFN(クアッドフラットノーリード)パッケージに、これらの回路を集積して提供する。こうすることで、パワーステージを設計する際にユーザーが抱えていた課題を解決することができるという。特に、パッケージ技術によりゲートドライブループでの寄生インダクタンスを極めて小さくすることで、パワーステージの効率を高めるとともに、EMIの低減などを実現している。スイッチング周波数は最大5MHzである。

 LMG5200に搭載したGaN FETは、従来のスーパージャンクション(SJ)MOSFETに比べて電力損失は25%も小さく、48V入力を1段で1.8Vまで降圧することが可能である。LMG5200と同社製デジタル制御のコントローラ「UCD3138」を組み合わせた通信システム向け48V POL電源の試作品では、48V入力、1.8V出力、最大40Aの出力電流で、92%の電力変換効率を達成している。

 LMG5200のプロトタイプ品は、TI Storeより購入することができる。参考価格は50米ドルである。ただ、購入可能な数量は最大10個に限定している。

 さらに、LMG5200向けの「PSpice」や「TINA-TIシミュレーションモデル」も用意しており、事前に電源システムの特性評価などが可能である。LMG5200を搭載した評価モジュールも準備している。入力電圧は24〜60V、出力電流は5〜10Aで、スイッチング周波数は最大5MHzである。評価モジュールの参考価格は299米ドルとなっている。

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