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MEMSセンサーがバッティング練習を劇的に変える!?――ミズノがバットスイングを数値化するシステムを開発センシング技術(2/2 ページ)

ミズノは、セイコーエプソンのセンサーを用いてバットスイングを解析するシステム「スイングトレーサー」を開発し、2015年5月9日から発売すると発表した。

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バットスイング解析に不可欠な8つのデータを取得

 センサーが取得できるデータは、ミズノがこれまでバットスイングを解析してきたノウハウから得た「解析に不可欠な8種類のデータ」だ。

  1. スイング時間(振り始めからボールに当たるまでの時間)
  2. スイング回転半径
  3. 最大ヘッドスピード
  4. ボールに当たる直前のヘッドスペード
  5. ヘッド角度(ボールが当たる瞬間のヘッドの傾き)
  6. インパクト加速度(ボールに当たる寸前のヘッドスピードの変化量)
  7. ローリング(バットの回転数)
  8. スイング軌道

 これらの8種類のデータにより、「コンパクトにバットが振れているか」「ヘッドがボールまで最短距離で振れているか」などを数値データから把握できるようになるという。データは、センサーと連動するAndroid端末用アプリで、解析/確認できる。

 「これまで、バットスイングは感覚的な部分が多く、コーチなど指導する側は言葉で伝えることも難しかった。解析システムを用いれば、スイング時間が短く、スイング回転半径が小さければ、コンパクトに、ボールまでより短い距離でバットが振れている証になる。解析システムによりバッティング練習が画期的に変わるだろう」とする。

 2015年3月16日に都内で開催した発表会では、大リーグなどでも活躍した元プロ野球選手の田口壮氏が、センサーユニットを取り付けたバットでティーバッティングを披露。

センサーが取り付けられたバットを使って田口壮氏がティーバッティングを行い解析システムのデモを行った (クリックで拡大)

バット購入の参考データにも


田口壮氏のバットスイング結果 (クリックで拡大)

 田口氏のスイングは、0.127秒という高速なスイング時間、インパクト時のヘッドスピードと最大ヘッドスピードに差がないことなどが解析により判明。解析システム開発担当者から「理想的なスイング」とのお墨付きを与えられた。田口氏は「センサーが取り付けられていても気にならない」との使用感を口にするとともに「データを蓄積すれば、スランプに陥っても好調時との違いが明確に分かり、より早くスランプから回復できるだろう。練習以外にも、バットを購入する際に、この解析システムがあれば自分にあったバットが選びやすくなる。他にも、さまざまな使い方が考えられ、革命的なシステム」との期待を口にした。

 ミズノでは、同社が契約するプロ野球選手(10人以上)から取得したデータも公開する予定で、「プロのホームランバッターやアベレージヒッターなどの数値と自身のデータを比較して練習することもできる」とする。

 解析システムの価格は、センサーユニットが2万9800円、アタッチメントが1800円(いずれも税別)。また選手用アプリでは月額980円、複数のプレーヤー計測に対応するコーチ用アプリでは月額2980円、それぞれデータなどを蓄積するためのサーバ使用料が必要になる。ミズノでは、バットスイング解析システム関連年間売上高として、初年度6000万円を見込み、将来的には2億円規模のビジネスを狙うとしている。

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