インテルの無線チップが次世代「iPhone」に?――PC部門の不調を救えるか:ビジネスニュース 企業動向(2/2 ページ)
2015年第1四半期の売上高見通しを下方修正したIntel。PC市場の低迷による不調は続いているようだ。だが一部で、IntelのLTEモデムが次期「iPhone」に搭載されるとの報道があり、これが実現すればIntelにとって大きな救いとなる可能性がある。
Intelの無線チップ部門
Intelは、Infineon Technologiesの無線チップ部門を買収して、モバイル通信事業部門を設立している。Strauss氏によるとInfineonは、Intelが無線チップ部門を買収する数カ月前に、ドイツ ドレスデンに拠点を置くBlue Wonder Communicationsを買収済みだったという。Blue Wonder Communicationsは、Tensilica(Cadence Design Systemsが買収)のMPU/DSPコアをベースとしたLTEモデムの開発を手掛けるメーカーだった。
Strauss氏は、「Infineonの2G/3Gモデムは全て、CEVAのDSPコアをベースとしていた。そこでIntelは、TensilicaベースのLTEモデムと、CEVAベースの2G/3Gプラットフォームの連携を実現すべく、約3年にわたり巨額の資金を投じて開発に取り組んだ。われわれは当時、“Intelは、CEVAアーキテクチャを使ってLTEモデムを開発すべきだ”と考えていた。しかしIntelは、Blue Wonder CommunicationsとInfineonが同じ命令セットを共有していなかったという状況下で確実に利益を確保すべく、最も抵抗の少ない道を進んだのではないだろうか」と述べている。
同氏は、「Intelはついに、マルチモードLTEモデムのポートフォリオ(無線LANやBluetooth、GPS向けのコネクティビティを含む)を完成させることになる。同社は、Qualcommほどの奥深い技術をまだ実現できてはいないが、確実な機能を備えた製品を実現したことにより、信頼性を得るために主要な顧客を必要としている」と続けた。
「Intelは、Appleに対して原価に近い価格でモデムを提供することにより、顧客を確保して信頼を獲得したいと考えるのではないだろうか。これが実現すれば、Intelが米国アリゾナ州チャンドラーに建設したもののまだ活用し切れていない最新工場において、低消費電力CMOSプロセスを適用することにより、ようやくその存在を正当化できるだけの十分な生産を実現できるようになるだろう」(Strauss氏)。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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