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日本半導体産業の立役者! 「電卓」の奥深い世界:3月20日は「電卓の日」(4/5 ページ)
“最も身近な精密機器”と言っても過言ではない電卓。あまり一般には知られていないが、電卓は、PCの誕生や日本の半導体産業の発展を語る上で欠かせない存在だ。3月20日の「電卓の日」に、奥深い電卓の世界をのぞいてみたい。
よりパーソナライズされた電卓へ
カシオの電卓は2006年12月、国内外での累計販売台数が10億台を突破した。その後も年間5000万台のペースで推移しているという。カシオによれば、「電卓市場は国内こそ横ばいだが新興国での需要が伸びている」という。
電卓の市場が国外に広がるほど、これまでにないニーズは増えてくる。カシオは、海外の文化や習慣に適したさまざまな機種をそろえている。
例えば、インドでは、インド式の桁区切りで数字を表示する機種を販売している。3桁(一の位〜百の位)でいったん桁を区切り、その後は2桁ずつ区切るという表示になる。中国には数を読み上げる電卓を投入した。客が、店員が正しい価格を打ち込んでいるかどうか確認できるようにするためだ。
数を読み上げる電卓(要は、店員が合計金額をごまかせないようになっているのだ)
カシオは、「今後は、これまでにない電卓を作るべく、ニーズを掘り下げて、よりパーソナライズされた電卓の開発を進めていきたい」という。例えば防水・防じんの電卓だ。カシオの電卓開発者は、「お気に入りのラーメン店に行くと、必ずといっていいほど、電卓がラップに巻かれている」と話す。そうしないと、使っているうちにキーの部分が油でベトベトになってしまうのだそうだ。カシオの防水・防じん電卓は、キーパッドごと取り外して洗えるようになっている。飲食店や屋外で使うユーザーには重宝しそうだ。
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