ルネサス、作田会長の退任発表――後任は元日本オラクル社長 遠藤氏:構造改革に一定のメド
ルネサス エレクトロニクスは2015年4月1日、同年6月に会長兼CEOの作田久男氏が退任すると発表した。後任には、元日本オラクル社長の遠藤隆雄氏が就任する。
ルネサス エレクトロニクス(以下、ルネサス)は2015年4月1日、同年6月に代表取締役会長兼CEOの作田久男氏が退任すると発表した。後任には、元日本オラクル社長の遠藤隆雄氏が就任する。代表取締役の交代予定日は、2015年6月予定の定時株主総会開催日となる。
「成長へギアチェンジ」
代表取締役会長兼CEOの交代に関して、ルネサスは、「現在取り組んでいる『変革プラン』*1)において、財務基盤の安定に向けた構造改革に一定のメドがつき、成長に向けた半導体ソリューションのグローバルな提案力強化を進めている。今後、さらにこの取り組みを加速させるためには、当該分野において豊富な知見・経験と実績を持った新しいリーダーシップが必要であると判断し、新しい代表取締役会長兼CEOの選任を決定した。新しいリーダーシップの下、成長へのギアチェンジを行い、さらなる企業価値の向上を目指す」とコメントしている。
*1)関連記事:ルネサスが変革プランを発表――2017年3月期営業利益率10%以上を目指す
大目標の営業利益率2桁も達成見込み
ルネサスは、作田氏が会長兼CEOに就任した2013年に、経営再建を目指した構造改革策「変革プラン」を策定。2017年3月期に営業利益率2桁の達成を掲げ、事業の選択と集中や、工場を中心にした拠点の統廃合を進めてきた。
その結果、2015年3月期は2010年3月の設立以来初めての通期最終黒字を計上し、営業利益率も円安などが手伝って10%を上回った模様だ*2)。一定の構造改革を終えたといえる状況で、営業利益率の維持向上とともに、設立当初よりも3割以上減少した売り上げ規模の拡大に向けて舵を切りつつあった。
*2)関連記事:ルネサス、初の通期黒字へ――営業利益率2桁も2年前倒しで達成か
*3)関連記事:ルネサス 作田CEOがM&Aを示唆――相次ぐ競合の買収ニュースに「心中穏やかではない」
Sun Microsystems買収時に日本法人社長
後任となる遠藤隆雄氏は、日本IBM 取締役などを経て、2008年に日本オラクル社長兼CEOに就任。当時、データベース製品が主力だった日本オラクルで、台頭してきたクラウドサービスなどに対応し事業の多角化を進展させ、Oracleによるサーバメーカー・Sun Microsystemsの買収(2010年)時にも日本法人社長を務めた。
なお代表取締役社長兼COOの鶴丸哲哉氏は、留任するが、同年4月1日付で生産本部長の兼任を解除し、新たに野崎雅彦氏が執行役員常務兼生産本部長に就任した。
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