「HTC One M9」を分解:製品解剖(2/2 ページ)
「Mobile World Congress(MWC) 2015」(スペイン・バルセロナ)で展示されたHTCの最新スマートフォン「HTC One M9」。Android 5.0.2(Lollipop)を搭載し、Qualcommのオクタコアプロセッサ「Snapdragon 810」を採用した、この最新機種をiFixitが分解した。
カメラボード
次はカメラボードだ。HTC One M9のメインカメラの有効画素数は20Mピクセル。サブカメラには、暗所での撮影に強い400万画素の「UltraPixel」(画素数を抑えて画素サイズを大きくするHTCの独自技術)を採用した。今、アジアを中心に大流行しているセルフィー(自撮り)を意識していることが分かる。では、カメラボードに搭載されている部品を見ていこう。
赤:NXP SemiconductorsのNFCコントローラIC「47803」
オレンジ:Qualcommのアンテナチューナ「QFE2550」
黄色:Maxim IntegratedのIRモジュール付き16ビットマイコン「MAXQ614」
iFixitは分解に苦労したようで、HTC One M9の修理のしやすさを10段階評価で「2」としている(「10」が最も修理しやすい)。ちなみに、「iPhone 6」「iPhone 6 Plus」は、ともに「7」と評価されている。iPhoneに比べると、HTC One M9は修理しにくいようだ。
シェア確保には苦労するHTC
HTC One M9でMWC 2015に挑んだHTCだが、Forbesによれば、スマートフォン市場のアナリストらは2015年におけるHTCのシェアが低下すると見ているようだ。HTCは、中国やインドメーカーのローエンドスマートフォンと、AppleやSamsung Electronicsのハイエンドスマートフォンとの“板挟み”によって、シェアの増加に苦戦しているという。Samsungと同様の課題を抱えているようだ。
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