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日本の総エネルギー消費量はどれくらい? E=MC^2から計算してみる世界を「数字」で回してみよう(14) 環境問題(3/7 ページ)

環境問題の最終回では、まず、日本の1日当たりの総エネルギー消費量を計算し直しました。その結果、“広島型原爆600発分”ということが分かったのです。その他、「日本に必要な電力を全て原発で発電したら、どれくらいCO2が削減できるのか」、「少子化問題を放置した場合、エネルギー消費量はどれくらいになるのか」について、いつものように、電卓とエクセルを使って検証します。

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少子化問題放置で、環境問題は解決するのか?

 では次に、少子化を考慮した上でのCO2などの地球温暖化ガス排出量の未来予測をしてみます。

 この計算に際しては、今回も、「“電力大余剰時代”は来るのか(前編) 〜人口予測を基に考える〜」で使用した、いわゆる「16年遅延モデル(日本の電力消費量は、16年前の日本の人口と相関がある)」を採用したいと思います。

 なお、このモデルに関しては、かなり反響があったようで、説得力のある強い反論もありました。そこで、この機会に再検証(再計算)を試みましたので、付録をご参照ください。

 さて、今回は、電気だけでなく、天然ガス、石炭、その他のCO2を排出する、日本国内の全部のエネルギーをたたき込んで計算する必要がありました。そこで、冒頭でご紹介した「エネルギー白書2014 第2部エネルギー動向」に登場する、「最終エネルギー消費量」の数字を使うことにしました。

 「最終エネルギー消費量」とは、実際に原油、石炭、天然ガスなどとして供給されたエネルギー「一次エネルギー」ではなく、最終的に消費者に使用されるエネルギー量のことです。

 エネルギーは変換されるプロセスで、ロスが発生する為、日本の一次エネルギー国内供給を100%とした時、最終エネルギー消費量は69%程度になります。

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「エネルギー白書2014 第2部エネルギー動向 1章 国内エネルギー動向」より作成

 CO2排出量予測は、以下のアプローチで行います(面倒だったら読み飛ばしてください)。


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(Step.1)
エネルギー白書「【第211-1-1】最終エネルギー消費と実質GDPの推移」のデータを使って、日本の全エネルギーの消費量と、CO2排出量の関係を読み取ります。

 この関係に一定の相関が認められれば、電気、天然ガス、石炭、その他のエネルギーをちまちまと計算しなくても、最終エネルギーが、CO2を発生させるエネルギーの総量と認定することができます。

 ここ20年程のデータを照らし合わせてみた結果、以下のようになりました。

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 「エネルギーを消費することによって、CO2が排出される」ということが、データからも読み取れます。

(Step.2)
次に、CO2排出量に「16年遅延モデル」が使えそうか検証する必要があるのですが、CO2排出量の方は、長期データがなく(1990〜)、このデータで「16年遅延モデル」を強行すると数年分しかマッチングを取れません。そこで、CO2排出量と強い相関が認められる最終エネルギーを代替として使うことにしました。

 結果は以下の通りです。

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  2007年までのドンピシャ感はすごいのですが、それ以後の外れ方が大きいです。これは、「一時的な事象」なのかもしれませんが、もしかしたら、わが国は既にエネルギー消費のピークを超えて、「16年待つ」どころか、エネルギー減少量が、人口減少量を追い越してしまっているのかもしれません。

 しかし、今回は「一時的な現象」と仮定して検討を続けることにします。リーマン・ショックという爆弾や、京都議定書という新しいトライアルもあったことですし。

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