“もはや次世代ではないSiC”など先端アナログパワー技術を訴求――ローム:TECHNO-FRONTIER 2015 開催直前情報
ロームは、「TECHNO-FRONTIER 2015」(2015年5月20〜22日、千葉・幕張メッセ)で、注力分野の1つである産業機器分野に向けた電源ICやパワーデバイスといったアナログパワー技術の展示を実施する。
2015年5月20〜22日の3日間、メカトロニクス/エレクトロニクス関連の最新の要素技術が一堂に集結する「TECHNO-FRONTIER 2015」(テクノフロンティア/会場:千葉・幕張メッセ)が開催される。
TECHNO-FRONTIER 2015の開催に先立ち、アイティメディアが運営するモノづくり/エレクトロニクス関連メディア「EE Times Japan」「EDN Japan」「MONOist」では、TECHNO-FRONTIER 2015の特設ページを設け、各編集部が厳選した注目企業の見どころ情報や新製品リリース、速報、イベントリポートなどを紹介する。
今回紹介するのは、SiCパワーデバイスなどの展示を行うロームだ。
>>3メディア合同「TECHNO-FRONTIER 2015特集」
“もはや次世代ではないSiC”など先端アナログパワー技術を訴求
ロームのTECHNO-FRONTIER 2015での出展テーマは、「SMART INDUSTRIES BY ANALOG POWER」だ。電源ICやパワーデバイスをはじめとするアナログパワー技術を強みとする同社。これまで民生機器分野や車載分野で培ってきた技術を生かし、「省エネ化」「高速化」「小型化」をキーワードに、アナログパワー技術で産業機器分野に貢献していくという意味合いを出展テーマに打ち出す。
ブースでは、「SiCパワーデバイス」をはじめ、「パワーデバイス」「パワーマネジメント」「モータコントロール」「ネットワーク」という5つの製品分野ごとにコーナーに分けて展示を実施する。
「前回のTECHNO-FRONTIERでは、『アナログパワー=ローム』というイメージを訴求すべく、電源ICとパワーデバイスを中心とした製品を多く出展した。今回は、SiCパワーデバイスはもはや次世代デバイスではなく普及する段階に入ったことを、SiC駆動用のLSIとさまざまなアプリケーション例で具体的に明示する」(ローム)とし、SiC-MOSFET駆動用擬似共振AC/DCコンバータの展示などを予定している。
SiC関連製品以外では、IoT化が進むとみられる産業機器の可能性を広げるため、通信、電源の新しい形、環境発電デバイスなどの提案、展示を強化する。具体的には、有機薄膜太陽電池、電力線搬送通信「HD-PLC」などの新世代技術を具現化する新しいデモ機などを展示する。
さらにブース内では、「パワーデバイス」「高効率・省エネモータドライバ」「IoTに最適なWi-SUNモジュール」など6つのテーマで、それぞれ市場を熟知する担当エンジニアがプレゼンテーションを実施する。なお、開催最終日の5月22日には、SiCパワーデバイスの最新技術動向を紹介するランチセッションも行う。
TECHNO-FRONTIER 2015出展に関してロームは「当社は、産業機器分野を重点分野の1つと位置付けており、製造業に関係するエンジニアの来場が多いTECHNO-FRONTIERは、『ロームのアナログパワー技術』を知ってもらう、もしくは評価してもらうための重要な場であると考えている。また、この展示会を通じてエンジニア同士が多くのコミュニケーションをとることで、新しいイノベーションを生み出すことを期待している」としている。
TECHNO-FRONTIER 2015
会期 | 2015年5月20日(水)〜22日(金) |
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時間 | 10:00〜18:00 |
会場 | 幕張メッセ(千葉市) |
ローム | ブースNo.:6B-301 |
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