IoTネットワーク機器向け設計基盤を開発、ルネサスとXilinxが協業:組み込み技術
ルネサスエレクトロニクス(以下、ルネサス)は、Xilinxとの協業により、自社のネットワーク検索エンジンと、XilinxのFPGAパケットプロセッサを相互接続した設計基盤を開発した。IoTネットワーク機器の開発期間短縮を可能とする。
ルネサスエレクトロニクス(以下、ルネサス)は2015年4月、自社のネットワーク検索エンジンと、XilinxのFPGAパケットプロセッサを相互接続した設計基盤を開発した。この設計基盤を活用することで、無数のセンサー機器が接続されるIoT(モノのインターネット)ネットワークシステムの早期開発が可能となる。
開発した設計基盤は、アプリケーションの識別やアクセス制御リストなどの分類を約100万通り搭載しながら、200Gビット/秒のパケット処理を行うことが可能である。この設計基盤をシステム設計に活用することで、ハードウェア設計とソフトウェア設計における開発環境の利便性が高まり、ネットワークカードなどの開発期間を短縮することが可能になるという。
設計基盤に用いられているルネサスのSシリーズネットワーク検索エンジン「R8A20686BG/R8A20646BG」は、高速シリアライザ/デシリアライザのインターラーケン・ルックアサイド規格に準じて、デュアルポートで通信を行う。これによって、FPGA側は、複数スレッドのコンフィギュラブルな検索テーブルを参照することが可能となる。
ルネサスが保有する検索技術は、TCAM(Ternary Content Addressable Memory)に基づいたもので、ソフトウェアが必要でないデターミニスティックな安定した処理能力と拡張性を備えているという。一方、FPGAは、Xilinxが提供する開発環境「SDNet」を用いてプログラミングすることで、独立した複数のスレッドが、それぞれ1〜100Gビット/秒超まで対応可能なパケットプロセッサを実現することが可能だ。
ルネサスは、今回のネットワーク検索エンジンとFPGAパケットプロセッサを相互接続した設計基盤について、IoT/M2M展および組込みシステム開発技術展(2015年5月13〜15日、東京ビッグサイト)の自社ブースにおいてデモ展示する予定である。
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