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最先端回路技術の競演〜VLSI Circuitsの概要VLSIシンポジウム 2015 プレビュー(3)(2/3 ページ)

2015年6月に開催される半導体の回路技術に関する国際会議「Symposium on VLSI Circuits」(VLSI Circuits)のプレビューをお届けする。今回は、センサー、バイオ、パワーマネジメント関連の投稿が増えている論文の傾向を中心に紹介する。

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センサー、バイオ、パワーマネジメントの投稿が活発

 投稿論文を分野別にみると、最近はセンサー関連とバイオ関連の投稿、パワーマネジメント関連の投稿が多い。メモリ関連は前年は減少したが、今回は復活した。一方、デジタル回路関連と無線通信関連の投稿は減っている。

 採択論文を国・地域別にみると、今回は米国が62件で断トツの件数を誇る。過去から米国は採択件数でトップを維持してきたのだが、最近は特に件数が増えている。第2位は韓国で12件である。日本が11件、台湾が10件と続く。日本は5年ほど前には3位を大きく引き離しての2位を確保しており、件数は20件を超えていた。しかしここ3年ほどは、発表件数の低下が目立つ。


投稿論文の分野別件数とその推移 (クリックで拡大) 出典:VLSI Circuitsシンポジウム委員会

採択論文の国・地域別件数とその推移 (クリックで拡大) 出典:VLSI Circuitsシンポジウム委員会

大学の発表が多数を占める

 採択論文を発表機関別にみると、大学の発表が目立つ。1位〜4位を大学が占める。トップはミシガン大学で、採択論文の件数は12件に達する。2位はKAIST(Korea Advanced Institute of Science and Technology)、カリフォルニア大学バークレー校、カリフォルニア大学ロサンゼルス校で、いずれも6件である。VLSI Circuitsは大学の投稿が企業よりもはるかに多いという傾向があり、採択論文の数でも大学が企業を引き離してきた。

 説明会では2012年〜2015年に3件以上の発表がある(あるいは発表を予定している)機関を一覧表(ランキング表)にしてみせていた。2012年には東芝が4件、ルネサス エレクトロニクスが3件とランキング入りしていたものの、2013年以降は日本の機関が1件もランキング入りしていない。日本の回路設計技術の将来が、いささか不安になる。


採択論文の発表機関別ランキング (クリックで拡大) 出典:VLSI Circuitsシンポジウム委員会

 分野別の採択論文数では、センサー・バイオ・ヘルス分野が19件で最も多い。次いでデータ・コンバータ分野が18件、有線通信分野が16件、プロセッサ・アーキテクチャ分野が15件と続く。センサー・バイオ・ヘルス分野は2013年と2014年でもトップを占めた。データ・コンバータ分野は2013年に3位、2014年に2位とこれも発表件数が多い。有線通信分野は2013年は11件で6位、2014年は9件で5位とそれほど多くなかったが、2015年は大幅に増えた。


分野別の採択論文数の推移 (クリックで拡大) 出典:VLSI Circuitsシンポジウム委員会

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