最先端回路技術の競演〜VLSI Circuitsの概要:VLSIシンポジウム 2015 プレビュー(3)(3/3 ページ)
2015年6月に開催される半導体の回路技術に関する国際会議「Symposium on VLSI Circuits」(VLSI Circuits)のプレビューをお届けする。今回は、センサー、バイオ、パワーマネジメント関連の投稿が増えている論文の傾向を中心に紹介する。
基調講演のテーマは「IoT」と「クルマの自動運転」
ここからは、プログラム委員長を務める本村真人(もとむら・まさと)氏(北海道大学)が説明した。始めに委員会が選んだ11件の注目論文を紹介し、続いてVLSI Circuitsシンポジウムの日程を説明した。本稿では編集の都合により、注目論文を次回で紹介することとし、ここではシンポジウムの日程を説明にとどめる。
VLSI Circuits初日の6月16日(火曜日)は、「ショートコース(Short Cource)」と呼ぶ1日コースのセミナー(技術講演とは別料金)に充てられている。ショートコースは2本あり、1本のテーマは「VLSI Design for Big Data Management」、もう1本のテーマは「Analog and Digital Circuit Design for IoT」である。
VLSI Circuitsの技術講演は、6月17日(水曜日)〜19日(金曜日)の3日間である。技術講演初日のオープニング(プレナリセッション)では、2件の基調講演が予定されている。日立製作所の矢野和男氏が「Priciple of Making Money with IoT: Very-Large-Scale Happiness Integration(IoTでお金を得る原理:超大規模幸福集積)」と題して講演する他、Robert BoschのMichael Fausten氏が「The Brain of Automated Driving-Electronics for the vehicle of tomorrow(自動運転の頭脳-明日の乗り物に向けたエレクトロニクス)」と題して講演する。
(次回に続く)
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