2019年までのストレージ市場を展望する(前編):福田昭のストレージ通信(14)(1/2 ページ)
米国のストレージ専門調査会社TRENDFOCUSは、2015年5月に東京で開催された「DiskCon Japan 2015」で、ストレージ市場の最新状況を解説するとともに、2019年までの市場動向を展望した。今回は、ハードディスク装置(HDD)の市場動向に関する講演内容を紹介する。
HDDの出荷台数は横ばいから漸減へ
米国のストレージ専門調査会社TRENDFOCUSは、2015年5月に東京で開催されたストレージに間する講演会兼展示会「DiskCon Japan 2015」で、ストレージ市場の最新状況を解説するとともに、2019年までの市場動向を展望した。前編では、ハードディスク装置(HDD)の市場動向に関する講演内容をご報告する。
ハードディスク装置(HDD)の出荷台数(世界市場)を2008年第1四半期から2015年第1四半期まで見ていくと、増減を繰り返しながらも、過去7年間の出荷台数はほぼ横ばいで推移した。出荷台数は横ばいだが、記憶容量でみると拡大基調が続いてきた。HDDの容量が継続して拡大してきたことが分かる。
中長期では、HDDの出荷台数は減少していく。TRENDFOCUSが示した、2014年から2019年までの出荷台数予測では、全体の出荷台数は少しずつ減っていく。内訳別では、減少傾向にあるのは3.5インチの内蔵型HDDと2.5インチの内蔵型HDDである。一方、ニアライン用HDDはわずかながら増加していく。
記憶容量ベースの出荷は拡大が今後も続く
今後の出荷数量を記憶容量換算で見ると、一貫して拡大していく。2019年には、2014年の約2倍の記憶容量に増加する。この間、HDD1台当たりの記憶容量が一貫して増えていくからだ。1台当たりの記憶容量は、2019年には2014年の2倍を超えると予測している。
出荷容量の拡大率を2002年から見ていくと、2004年〜2009年は年平均成長率が53%という急速な勢いで記憶容量が増加した。続く2009年〜2014年は、年平均成長率が29%に低下した。とはいうものの29%という成長率自体は、非常に高い伸びである。
今後も成長率は鈍るものの、出荷容量の拡大は続く。2014年〜2019年の年平均成長率を16%とTRENDFOCUSは予測した。今後の容量拡大を牽引するのはエンタープライズ市場である。同市場向けの出荷容量は2014年から2019年までの期間に年平均成長率35%で拡大する。
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