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ルネサス、IoT向けに動作保証されたARMマイコンとソフトを一体で提供へ:マイコン(3/3 ページ)
ルネサス エレクトロニクス(以下、ルネサス)は、IoT(モノのインターネット)機器向けの設計基盤「Renesas Synergyプラットフォーム」を開発した。ユーザーはアプリケーションコードから開発に着手でき、開発負担を軽減できる。同基盤用マイコンとしてARMコアベースのマイコンをラインアップしていく方針。
チューニング用途にはRX/RL78を継続
ルネサスは、産業機器や家電機器向けに、「RXファミリ」や「RL78ファミリ」などのMCUをベースとした、「デバイスソリューション」や「キットソリューション」を提供してきた。「ハードウェアチューニングが必要となる用途や顧客に対しては、引き続きこれらのソリューションを提供していく。今回のRenesas Synergyプラットフォームは、アプリケーション・サービスレイヤーに強みのある企業や、マイコンなどを使った経験があまりなく、設計リソースや開発時間に制約がある企業に提案していく」(中沢氏)方針だ。このため、Renesas Synergy MCUをデバイス単体で提供する予定はないという。
なお、Renesas Synergyプラットフォームの発売は2015年12月を予定している。価格は未定。製品の詳細情報は2015年10月に米国で開催予定の「DevConアメリカ」で明らかにする。
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