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Qualcomm中国の元トップがシャオミへ企業動向(2/2 ページ)

QualcommとXiaomi(シャオミ)が、それぞれ興味深い人事を発表した。Xiaomiは、Qualcomm Chinaのトップを務めていた人物を、シニアバイスプレジデントとして迎える。

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Qualcommは中国で苦しい立場に?

 Qualcommは現在、さまざまな問題に苦しんでいる。例えば同社は、反競争的な行為をしたとして中国政府から14カ月にわたる調査を受けた上、9億7500万米ドルという巨額の罰金を支払うことに合意した。また、特許に対するロイヤルティーの徴収をめぐる問題も、執拗に続く。Qualcommの中国国内のライセンス供与先である一部のメーカーが、ライセンス製品の売上高を十分に報告しないためだ。

 Qualcommはむしろ、中国のスマートフォン向けチップ市場における熾烈(しれつ)な競争によって疲弊しているのではないだろうか。

 中国深センを拠点とする中国モバイル業界の観測筋は、匿名を条件に、「Qualcommは、Spreadtrum Communicationsの勢力拡大を受け、3G市場におけるリーダー的地位を失いつつある。さらに4G市場でも、MediaTekがマルチコア戦略を展開していることから、衰えを見せている。Qualcommが再び勢力を取り戻すことができる可能性があるのは、5G市場だ。しかし5Gに関しては、世界各国において用途などがさまざまに異なることから、決して簡単にはいかないだろう」と語っている。

Xiaomiは、人事で弱点を克服か

 一方のXiaomiは、Xiang Wang氏に大きな期待をかけているようだ。

 XiaomiのCEO(最高経営責任者)であるJun Lei氏は、発表資料の中で、「Wang Xiang氏は、素晴らしいリーダーシップを持っている。業界において20年以上にわたる実績を培い、モバイルエコシステムのプレーヤ企業との間で密接な協業関係を築き上げてきた。このため同氏は、Xioamiが戦略的な協業関係と重要なパートナーシップを構築していく上で、次なるレベルの成功へと導いてくれるだろう」と述べている。

 言い換えれば、こういうことだ。「Wang氏は、Xiaomiの弱点であるサプライチェーンマネジメントを強化してくれるだろう」。

 さらに、Wang氏は、Xiaomiの自社開発ICにおいて重要な役割を果たすのではないかとみられている。Xiaomiは、Leadcore Technologyと提携し、自社でプロセッサを開発して差別化を図ろうとしている。Leadcoreのバイスプレジデントを務めるMarshal Cheng氏は、EE Timesがインタビューした際、「Leadcoreは、製品、技術、特許の全てにおいて、中国で最も成長が速いXiaomiと協業している」と話している。

 AppleやSamsung Electronicsなどの大手スマートフォンメーカーが自社で開発したアプリケーションプロセッサを搭載するようになっている。恐らく、将来的にはXiaomiもそうなるだろう。Qualcommは苦しい立場に置かれつつある。

【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】

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