2019年までのストレージ市場を展望する(後編):福田昭のストレージ通信(15)(1/3 ページ)
PC出荷台数の減少を受けて縮小傾向にあるHDD市場とは反対に、伸び盛りなのがSSD市場である。今回は、SSD市場の動向を、出荷台数やギガバイト単価、メーカーのシェアといった視点で見ていこう。
PC出荷台数はタブレットを足しても減少傾向に
前編では、ストレージ専門調査会社TRENDFOCUSによる予測の中で、ハードディスク装置(HDD)に絞って展望をご紹介した。後編では、まずPCの出荷台数トレンドについて触れ、それからNANDフラッシュメモリを記憶媒体とするストレージ、すなわち、SSD(Solid State Drive)の展望をご報告する。
PCが1980年代に登場してから、その出荷台数はほぼ一貫して増加し続けてきた。しかしスマートフォンの登場と普及に同期するかのように、2010年代に入ると出荷台数は頭打ちとなり、減少に転じている。2010年代にPC出荷台数の減少トレンドが底を打ち、増加トレンドに転じることはあるのだろうか。残念ながら、TRENDFOCUSは短くとも2019年までは減少トレンドが続くと予測する。それどころか、2015年以降は、PCにメディアタブレットを足した合計の出荷台数でも、減少に転じる。
デスクトップPCの出荷台数は、2007年〜2008年ころまでは順調に伸びていたものの、2010年〜2011年には頭打ちとなり、以降は減少に転じた。この傾向は今後も続く。2019年まで、デスクトップPCの出荷台数はわずかずつながら減少していくとTRENDFOCUSは予測した。
ノートPCの出荷台数は1990年代はごくわずかで、PCの世界では脇役的な存在だった。その後、2000〜2010年にノートPCの出荷台数は急速に増加し、デスクトップ機と主役を分け合うようになる。2008年ころにはデスクトップPCとノートPCの出荷台数がほぼ等しくなり、2010年にはノートPCの出荷台数がデスクトップPCを上回るようになった。しかし2013年以降は、ノートPCも出荷台数が減少し始める。2014年〜2019年のノートPC出荷は前年に比べると横ばいあるいは減少というのがTRENDFOCUSの予測である。
メディアタブレットは2010年に登場した。より正確には、市販が始まった。2011〜2013年にメディアタブレットは出荷台数を急速に伸ばした。2012年ころには、2010年代を通じてメディアタブレットの出荷台数が急速に増加していくとの予測が調査会社からリリースされた。しかし2014年には早くも出荷台数の伸びは頭打ちとなる。2015年にはメディアタブレットの出荷台数は減少に転じる。2016年以降もメディアタブレットの出荷台数はほとんど伸びないと、TRENDFOCUSは予測した。
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