居眠り対策と追突回避にみるクルマの先進技術:フリースケール開発者会議(FTF)レポート(4)(3/3 ページ)
「FTF 2015」の基調講演では、コネクテッドカーの話題が取り上げられた。先進の安全技術を搭載したクルマの姿をショートムービースタイルで上映するなど、なかなか面白い。その他、GM(General Motors)が開発中の追突回避システムや、「四肢が麻痺(まひ)していても運転可能な自動車」の開発プロジェクトも紹介された。
四肢麻痺(まひ)でも運転可能な自動車を開発
続いて、「四肢が麻痺(まひ)していても運転可能な自動車」の開発プロジェクトが紹介された。電子部品商社のArrow Electronicsが主導して進めているプロジェクトで、Freescaleは圧力センサーの供給などでプロジェクトに協力している。
開発プロジェクトの名称は「SAM(Semi-Autonomous Motorcar) Project」。SAMはインディカーレースのレースドライバーであるSam Schmidt氏のファーストネームでもある。Sam Schmidt氏は2000年に予選走行中の事故で脊髄を損傷し、四肢が麻痺してしまった。つまり、普通のクルマを運転することはできなくなった。同氏が再びドライビングを楽しめるクルマ、究極的にはレースに参戦できるクルマを開発することが、SAMプロジェクトの目的である。
開発した自動車は、首から上だけでハンドルとアクセル、ブレーキを操作する。会場にはシミュレータが持ち込まれ、実際に自動車を操作する様子を開発スタッフが見せてくれた。頭を左右に振ることでハンドルを操作し、口にくわえた細い管に息を吹き込むことでアクセルを踏み込み、口にくわえた細い管から息を吸い込むことでブレーキをかける。慣れると、複雑なレイアウトの道路でもコースを外れずに走行できるようになる。
(次回に続く)
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