コラム
たった5ドルで手に入る!? 10mm角の8ピンFPGAモジュール:どう使う?
ドイツのTrenz Electronicが、10mm×10mmのFPGAモジュールを5ドルで販売するプロジェクト「DIPSY」を進めている。2.54mmピッチのDILを採用し、5本のI/O端子はDIP8 PCB、ATtiny85と互換性のあるピン配置になっている。
つい先ほど(2015年7月9日、米国時間)、ドイツTrenz ElectronicのR&DマネジャーであるAntti Lukats氏から、1通のメッセージを受け取った。そこには、Anttiが携わる最新のプロジェクト「DIPSY」(HackadayのWebサイトに掲載されている)について書かれていた。
DIPSYは、10mm×10mmと小型のFPGAモジュールで、価格はわずか5米ドルである。Lattice SemiconductorのFPGA「ice40UL1K」をベースにしたものだ。モジュールの主な仕様は以下の通りである。
- 5本のI/O端子:DIP8 PCB、ATtiny85と互換性のあるピン配置になっている
- 5本のLED I/O端子:駆動電流24mA×3本、100mA×1本、400mA×1本
- 1280個のロジックセル(LUT[ルックアップテーブル]+フリップフロップ)
- 最大7Kバイトの内部RAM(14のブロックRAMタイル)
- Microchip Technologyの「UNI/O」シリアルEEPROM(2Kバイト)
- Texas Instruments(TI)の1.2V LDO(低ドロップアウト) ICをコア電源向けに搭載
- ハードIPコア:IR RX、TX、I2C、RGB LED PWM
- アイドル時の消費電流:30μA以下
- 無償の開発ツール
個人的には、このモジュールが、一般的な2.54mmピッチのDILを採用している点をとても気に入っている。ブレッドボードで使いやすいからだ。
Anttiによれば、実際に動作しているプロトタイプの写真を用意でき次第、KickstarterにもDIPSYを出品するようだ。もしKickstarterに出品されたら、また取り上げたい。さて、読者の皆さんは、この小さなDIPSYで何をしたいと思うだろうか。
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