ADAS向け開発が容易に、「R-Car H2」搭載キット:「R-Car」開発キットでは最小の10cm角
ルネサス エレクトロニクスは、車載情報機器向けSoCのハイエンド製品「R-Car H2」を搭載した開発キット「ADASスタータキット」の注文受付を2015年7月8日より開始した。同社によると、「R-car搭載ボードでは最小サイズ」となる。先進運転支援システム(ADAS)向けに製品を展開する。
ルネサス エレクトロニクス(以下:ルネサス)は、車載情報機器向けSoCのハイエンド製品「R-Car H2」を搭載した開発キット「ADASスタータキット」の注文受付を2015年7月8日より開始した。先進運転支援システム(ADAS:Advanced Driver Assistance System)向けに展開する。
ADASスタータキットはR-Car H2を搭載しながら、約10cm×約10cmのサイズを実現した。同社によると、「R-Carの開発キットでは最小」という。
R-Car H2には、OpenCV*)のインタフェースに対応した最先端のコンピュータビジョンコア「IMP-X4」、OpenGL ESに基づく最先端のグラフィックスコア「G6400」が搭載されている。これにより、3Dサラウンドビュー、スマートカメラ、センサーフュージョンなどの各種ADASアプリケーションの開発を手軽に開始することが可能になる。
*)OpenCV(Open Computer Vision)とは、オープンソースのコンピュータビジョン向けライブラリである。幅広いライブラリを無料で利用することができ、PC上での画像認識プログラムの開発などに広く用いられている。
オペレーティングシステムは、Linuxの「Yocto Distribution」をサポートしている。メイン基板には2GBのDDR3 RAM、64MBのQSPIフラッシュメモリと、マイクロSDカード・スロットを搭載。画像の入出力は、イーサネットによるカメラ接続や、HDMI出力を搭載している。拡張コネクタを用いれば、サラウンドビューシステムで必要な4つのカメラ接続やモニター出力が可能だ。
ADASスタータキットはルネサスおよびRSコンポーネンツから購入できる。出荷は2015年10月を予定しているという。
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