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IoTを支える無線センサー端末の「完全体」を米国ミシガン大学が試作福田昭のデバイス通信(32)(3/3 ページ)

無線センサーネットワークは、IoT(モノのインターネット)を支える基盤技術の1つだ。“IoT向け”という点を考慮すると、無線センサー端末の「完全体」というのは、外部からの充電が不要で、設置箇所に半永久的に放置できるものになるだろう。その「完全体」に近い端末を、米国のミシガン大学が試作している。

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発電機能と無線通信機能の動作を確認

 無線センサー端末を製造した直後(組み立てと樹脂封止まで完了した直後)は、電池は充電されていない。そして無線センサー端末は当然、動かない。ここで200ルクス(通常の室内の明るさ)の照明があると太陽電池セルの発電エネルギーが、ハーベスタ層の回路を起動する。つまり初期状態となり、充電と給電が始まる。二次電池をフル充電するまでに必要な時間は、25kルクス(曇り空の屋外に相当)で15時間半ほとである。

 試作した無線センサー端末で実際に無線通信機能を測定したところ、感度が−99dBmのホスト側受信回路で通信可能距離は7mに達した。

 まだ初期の試作段階のため、性能には改良の余地が十分にある。今後が楽しみな研究開発成果と言えるだろう。

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試作した無線センサー端末の外観(樹脂封止前の段階)。左上はアンテナ部分(クリックで拡大)

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