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TI、圧倒的な品ぞろえでIoT市場を攻略:競合が3社合併しないと追い付けない(3/3 ページ)
Texas InstrumentsのシニアバイスプレジデントのSteve Anderson氏が来日し、成長が見込まれるIoT市場に重点を置く、同社アナログIC事業の戦略を語った。
革新的新製品をIoT市場へ
製品強化に向けた投資も緩めない。同社は、年間500〜600種の新しいアナログIC製品を投入しており、「全ての新製品が革新性を持った製品として、開発、提供することを目指している」(Anderson氏)。Anderson氏は、革新的な製品の一例として、32ビット分解能のデルタシグマ型A-Dコンバータ「ADS1262」「同1263」や、豊富な保護機能を備え電源部の小型化に貢献する車載向け120Vゲートドライバ「UCC27201A-Q1」など2015年7月に発表した製品を紹介した。
32ビット分解能のデルタシグマ型A-Dコンバータ「ADS1262」「同1263」(左)と車載向け120Vゲートドライバ「UCC27201A-Q1」の概要 (クリックで拡大) 出典:Texas Instruments
サポート体制も強化
「革新的な製品だけでは、不十分。当然ながらサポート面の強化も継続している」と付け加える。
例えば、高性能のデータコンバータ製品のサポート情報を提供するWebサイト「Data Converter Learning Center」を開設し、100件以上の技術文書や技術解説ビデオの提供を開始。1999年から提供を開始し、約30万人のユーザー数に達するオンライン設計ツール「WEBENCH」でも同年7月22日から制御ループ内のエラーを予測し自動的に補償し、安定した電源を設計できるツールや、各種CADツール向けに設計情報を出力できる新機能などをリリースしたという。
Anderson氏は、「営業サポート拠点網も、半導体業界で最大規模だと自負している。今後もTIはあらゆる分野で革新を継続していく」と語った。
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