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動くモノにズレなく投影する高速プロジェクタ:8ビット階調の映像を最大1000fpsで投影可能(2/2 ページ)
東京エレクトロンデバイスは2015年7月、東京大学 石川正俊/渡辺義浩研究室と8ビット階調の映像を最大1000fpsのフレームレートで投影できる高速プロジェクタ「DynaFlash」を共同で開発したと発表した。表示最小遅延は3msを実現し、動いている対象物にあたかも印刷されているかのように映像を投影できる。
一般的なモニターやテレビに用いられる30〜120fpsフレームレートでは、対象物が動く場合、その運動速度に対して映像表示が追い付かず、コマ落ちしたかのような間隔の空いた映像表示となり、違和感を覚える見た目となった。そこで、動く対象物でも、滑らかな映像表示を実現するため、高速フレームレート対応のプロジェクタの開発を検討。2014年5月から共同研究に着手していた。
DynaFlashは、TEDが「inrevium」(インレビアム)ブランドで展開する自社製品の1つとして、2016年半ばに発売する予定。
価格は、内蔵するカメラやアルゴリズムによって変動するため未定である。
デモで行われた映像を紹介
最後に、発表会で行われたDynaFlashを使用したデモの映像を紹介する。
デモは、東京大学 石川正俊/渡辺義浩研究室が開発した対象物の位置を認識する高速マシンビジョンシステムとDynaFlashを連動させ、動いている対象物に対し、映像をズレたり、遅れたりすることなく、スムーズに映像表示された。
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上の画面が動いている対象物。下の画面がDynaFlashによって投影されている画面。ズレたり、遅れたりすることなく、映像が表示されている。
また、石川正俊/渡辺義浩研究室もDynaFlashのデモ映像を公開している。
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