AMDは上位20社圏外に、シャープはランクイン:2015年上半期 半導体売上高ランキング
IC Insightsが、2015年上半期の半導体売上高ランキングを発表した。それによると、AMDとNVIDIAがトップ20社の圏外に落ち、代わってシャープとUMCがランクインしている。AMDは、PC市場の低迷もあり不安定な状態が続いている。
Advanced Micro Devices(AMD)の売上高は過去数年間で下落し続けており、6四半期連続で損失を計上している。市場調査会社のIC Insightsによると、同社は2015年上半期の半導体ベンダー売上高ランキングで上位20社から転落したという。
AMDが圏外に、シャープはトップ20入り
AMDのランキング転落は主に、特に厳しかった第2四半期が要因だ。IC Insightsによると、同社の売上高は前年同期比で35%減少した他、2003年以降で初めて10億米ドルを下回ったという。
iSuppliが発表した年間ランキングによると、AMDは2000年より前のある時以降、チップサプライヤー上位20社に毎年ランクインしていた。
AMDとNVIDIAに代わり、シャープと台湾UMCがトップ20社にランクインしている。
不安定な状態が続くAMD
PC市場が鈍化し、AMDの売上高が減少する中、同社は不安定な状態が続いている。最近まで、PC向け製品は同社の売上高のうち約90%を占めていた。ただし、AMDはここ数年、PC以外の市場における売上高の比率を高めていて、回復の兆しは見えている。同社のCEOであるLisa Su氏は、2015年下半期に業績を回復することを約束している。
だがIC Insightsは、AMDのリストラとPC以外の市場への注力は、効果を生むには至っていないと記した。AMDは、2014年に4億300万米ドル、2015年上半期には3億6100万ドルの損失を計上している。
IC Insightsの市場リサーチ部門でバイスプレジデントを務めるBrian Matas氏は、インタビューの中で、「AMDはエンタープライズ向けや組み込み市場でシェアを拡大しようと努めている。また、ARMベースのプロセッサと並行してx86系プロセッサの製品開発にも取り組んでいる。だが、まだ成果が表れていない。PC向け製品の売上高の減少も歯止めがかからない状態にある」と述べている。
Matas氏は「AMDがこれまで行った(業績改善の)取り組みの中で、成果が上がっているものは、まだない」と続けた。
大方の予想通り、Intelは236億米ドルの売り上げを達成し、2015年上半期もトップに立った。2001年以降、第2位についているSamsung Electronicsは、2015年上半期もその地位に甘んじる形となった。ただしIC Insightsは、Samsungは第2四半期の目覚ましい成長によってIntelを追い上げたと話している。Samsungの2015年上半期の売上高は196億米ドルで、Intelの売上高を約16%下回っている。2014年のIntelの売上高はSamsungの売上高より36%高かった。
【翻訳:青山麻由子、編集:EE Times Japan】
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- スマホ失速は、Samsungに限ったことなのか
スマートフォン市場への懸念が拡大している。Samsung Electronics(サムスン電子)がこのほど発表した2015年第2四半期決算で、2015年後半のスマートフォンビジネスに不安を表明したためだ。Samsungのビジネスが不調なのか、それとも、スマートフォン市場全体が低迷期に入りつつあるのだろうか。 - AMD、全従業員の7%を一時解雇へ
AMDは、構造改革の一環として全従業員の7%に当たる700人を一時解雇する。 - Qualcommのリストラは、技術者を軽視した愚行だ
約4700人を解雇すると発表したQualcomm。この決断に至るには、Qualcommの大株主であるJana Partnersからの要請があったのではないかと推察される。だが、この大株主からの要請は、Qualcommの技術開発力を考慮していない、無情なものではないだろうか。 - 2015年1〜3月のスマホ世界シェア、サムスンが“好調Apple”を引き離す
IDCは2015年第1四半期(1〜3月)におけるスマートフォンの世界出荷台数を発表した。Samsung Electronicsが、Appleを2000万台以上引き離す8240万台を出荷しシェアを戻したものの、前年同期比ベースで出荷数は減少。逆に、Appleはシェアこそ落としたものの前年同期比4割増の出荷を記録し、好調だった。