米新興企業、次期iPhoneでデザインウィン獲得?:他のApple製品に採用されるとのうわさも……
センサーを手掛ける米国の新興企業が、次期「iPhone」でデザインウィンを獲得するのではないかとうわさされている。低消費電力を特長とする同社のセンサーは、実は「Apple Watch」や「MacBook」に既に採用されているとの話もある。
米国NextInputは、2012年に設立された、MEMSセンサーを手掛ける新興企業である。同社は、Appleのデザインウィンを獲得するのではないかとうわさされている。
NextInputは2015年7月、感圧タッチセンサー「ForceTouch」の出荷を開始した。Appleが2015年9月に発売するとされている「iPhone 6s」(もしくは「iPhone 7」、いずれも仮称)には、「Force Touch」と呼ばれる機能が搭載されるという。さらにNextInputは、Appleにセンサーを供給するInvenSenseからCEO(最高経営責任者)を迎え入れた。こうした状況を受け、NextInputが次期iPhoneのデザインウィンを獲得したのではないかという予想が高まっている。
InvenSenseは、Appleが2014年9月に発売した「iPhone 6」でデザインウィンを獲得している。
Appleは、NextInputが数千万個のセンサーの量産に即座に対応できるように、経験豊かな役員をCEOとして就任させることを要請したとも考えられる。Wall Street Journalによると、Appleは同社の契約メーカーとサプライヤーに対し、新モデルのiPhone向けに4.7インチディスプレイ8500万個と5.5インチディスプレイ9000万個を2015年12月31日までに製造するよう要請しているという。
NextInputは、感圧センサー技術の商用化を目的に、米国Georgia Institute of Technology(ジョージア工科大学)のスピンオフ企業として設立された。同社が開発したマルチセンサーは、ディスプレイやトラックパッド下部に埋め込んで使用できるタイプの低価格ソリューションで、静電容量方式タッチセンサーと比べて消費電力が少ないという。
モバイル機器メーカーは常に、少しでも消費電力の低いソリューションを求めている。
NextInputのForceTouchは、マルチポイントタッチに対応していて、タッチされた位置と力の強さを1mm以下の空間解像度と1mN(ミリニュートン)以下の力分解能で感知できるという。
NextInputは、ForceTouchセンサー「FT4010F」とソフトウェア、1D/2D/3Dの3段階でタッチの強さをコントロールできるアルゴリズムのサンプル出荷を開始している。iPhoneのデザインウィンを獲得できれば、iPhone1台当たり4〜6個のセンサーの販売が見込める。
既にApple WatchやMacBookに採用?
だが、NextInputは既に、「Apple Watch」と「MacBook」向けのセンサーのデザインウィンも獲得している可能性もある。Apple WatchとMacBookの特定のバージョンには、軽いタップと深押しを区別してそれぞれに対応した処理を行う機能が搭載されているが、この機能にNextInputが提供する感圧技術が適用されている可能性がある。そうだとすれば、次期iPhone向けに急きょ、センサーの量産を開始するというわけでもないのかもしれない。
【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】
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