「WalkCar」は乗り物の概念を変える?:バッグに入れて持ち運べるクルマ(2/2 ページ)
日本人エンジニアが発明した「WalkCar」は、何といっても、バッグに入るほど小型というところが最大の特長だろう。かつて、携帯電話機の登場が“電話”の概念を変えたように、WalkCarが“乗り物”の概念を変える日がくるかもしれない。
“乗り物”の概念を覆す?
WalkCarは“乗り物”の基本概念を根本から覆す。“バッグに入れられるクルマ”というコンセプトは、「乗り物は大きくて頑丈でなくてはならない」「乗り物を動かすにはそれに乗り込まなくてはならない」という概念を否定する。
軽量なアルミ板を用いたWalkCarの最大荷重は120kg。ノートPC程の大きさなのでリュックに入れることもできる。ずっと乗り続けてもいいし、必要な時だけ乗ってもいい。
こうした機能や特長は、セグウェイやトヨタ自動車の「Winglet(ウィングレット)」などの他のパーソナルモビリティには見られない。セグウェイもWingletもWalkCarよりはるかに大きくかさばっている。
あえて言えば、WalkCarは携帯電話機の出現を思わせる。
携帯電話機の出現により、人々は固定電話のそばに座って話すことから解放された。WalkCarは、他にはないコンパクトさと携帯性を備えていることから、バスのスケジュールや駐車スペース、自転車の鍵などを気にする必要がなくなるかもしれない。
WalkCarは簡単に乗りこなせるそうだ。cocoa motors.によると、WalkCarはスケートボードのように体の重心を移動させて操縦するという。本体に乗ると“発車”し、降りれば止まる。
最初はオモチャのようにも見えたが、実際は遊び道具というより、実用的な製品だろう。スケートボーダーは、退屈するかもしれない。
cocoa motors.によれば、WalkCarはクラウドファンドのKickstarterを通して2015年秋には予約可能だという。価格は約10万円で、2016年春には出荷予定だとする。
【翻訳:青山麻由子、編集:EE Times Japan】
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