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ASMLがEUVリソグラフィ開発の最新状況を公表(1)〜ArF液浸の限界SEMICON West 2015リポート(4)(2/2 ページ)

今回は、コストとパターン形成の2点について、ArF液浸とEUV(極端紫外線)リソグラフィを比べてみよう。ArF液浸では、10nm世代になるとステップ数と重ね合わせ回数が破壊的な数値に達してしまう。これがコストの大幅な上昇を招く。さらに、ArF液浸とEUVでは、10nm世代の配線パターンにも大きな差が出てくる。

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10nm世代でもEUVがArF液浸に比べて良好なパターンを形成

 ArF液浸リソグラフィとEUVリソグラフィを比較すると、重要な違いがもう1つ存在する。ニコンの講演でも指摘されていた、レイアウトのパターンとレジスト露光パターンのずれ(EPE:Edge Placement Error)である。

 Lercel氏は講演で、ArF液浸のトリプルパターニング(LELELE方式)とEUVのシングルパターニングを第1層金属配線のリソグラフィで比較したスライドを見せていた。縦48nmピッチ×横48nmピッチの最小ピッチで配線パターンを形成した事例である。両者のパターンは明確に違う。EUVのシングルパターニングによる配線パターンが、レイアウトのパターンに近い。ArF液浸のトリプルパターニング(LELELE方式)による配線パターンは、かなり劣る。

 この事例のロジック配線は、10nm世代に相当する。10nm世代でも、EUVリソグラフィが良好なパターンを形成しやすい。ArF液浸リソグラフィ(マルチパターニング)は、かなり無理をしていることが分かる。

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10nm世代のロジック配線を異なるリソグラフィ技術で形成した結果。左はArF液浸のトリプルパターニング(LELELE方式)で形成したもの。右はEUVのシングルパターニングで形成したもの。EUV露光装置には、ASMLが開発した装置を使用した(クリックで拡大)

(次回に続く)

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