モバイル向けDRAM、韓国勢のシェアが8割超え:Samsungだけで全体の57.6%に
DRAMeXchangeは、2015年第2四半期(4〜6月)におけるモバイル向けDRAMの世界市場が前期比7.7%増の38億5100万米ドルに達したと発表した。中でも、Samsung Electronicsは前期比19.1%増の22億1900万米ドルと大きく成長し、韓国勢のシェアは80%を超える形となった。
台湾の市場調査会社Trendforceの調査部門であるDRAMeXchangeによると、2015年第2四半期(4〜6月)におけるモバイル向けDRAMの世界市場が前期比7.7%増の38億5100万米ドルに達したという。
全DRAMの売上にしめるモバイル向けDRAMの割合も33.7%に上昇し、今後も成長し続けると予想されている。その要因として、PC向けDRAMなどに比べてモバイルDRAMの価格の下落幅が小さいことや、次世代LPDDR4メモリがモバイルDRAMの平均価格を上げていることが挙げられるという。
Samsungの市場シェアは57.6%に
売上高をメーカー別にみると、トップはSamsung Electronicsで22億1900万米ドル、2位はSK Hynixで9億2000万米ドル、3位はMicron Groupで6億3700万米ドルとなっている。
Samsungは「Galaxy S6」の出荷台数が伸びたことで、前期比19.1%増となりシェアも52.1%から57.6%に拡大している。Samsungは、最先端の20nmプロセスでLPDDR4メモリを製造しており、これによって高い収益性を維持している。さらに、次期「iPhone」用のLPDDR4メモリの大半を提供するのではないかとみられている。
SK Hynixも、モバイル向けDRAMを増産したことで、前期比12.1%増となりシェアを22.9%から23.9%に伸ばした。Micron Groupは、プロセス技術と中国のスマートフォン向け製品の開発が遅れているため、前期比21.3%減となり、シェアも22.6%から16.5%に落としている。
PC向けDRAMは……
モバイル向けDRAMの売り上げが増加する一方で、PC向けDRAMは縮小傾向にあり、価格の下落が次の四半期も続くと予想されている。
DRAMeXchangeのアシスタント・バイスプレジデントであるAvril Wu氏は「Samsungが、3GバイトLPDDR4メモリをGalaxy S6や『Galaxy S6 edge+』に搭載したことで、同社のDRAM総出荷数のうち、約40%がモバイル向けDRAMとなった。これによって、SamsungのPC向けDRAMの割合は低くなり、20%になっている」と述べている。
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