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IntelのAltera買収、その行方は?(前編)M&Aでは“黒歴史”も持つIntel(2/3 ページ)

2015年6月に、Alteraを167億米ドル(約2兆円)で買収すると発表したIntel。業界には、IntelによるAltera買収の行く末を懸念する声も出ている。M&Aでは失敗事例も多いIntelだが、Altera買収に対する業界からの懸念は何としても払しょくしたいところだろう。

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IntelのM&Aの歴史

 「いずれにしても、Intelが1990年代後半にネットワーク/通信企業の買収を繰り返した時ほどは、ひどい結果にはならないだろう」と複数の業界アナリストは、EE Timesに対して語っている。

 その中の1人、米国の市場調査会社であるInsight 64で主任研究員を務めるNathan Brookwood氏は、「Intelは、1998年〜2005年にCEO(最高経営責任者)を務めたCraig Barrett氏の時代に、数多くの通信系ハードウェア企業を買収したが、Paul Otellini氏がCEOに就任した後は、その大半を投げ売った」と説明する。

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 Intelが派手な買収を繰り広げていた当時の様子について見てみよう。

 Intelは1999年、22億米ドルという大金を投じてLevel One Communicationsを買収し、自社のNetwork Communications Groupに属する完全子会社とした。

 また1999年には、CDMA/TDMAベースバンドプロセッサメーカーであるDSP Communicationsを16億米ドルで買収している。DSP Communicationsも、IntelのComputing Enhancement Groupに属する完全子会社となった。

 さらに同年、コンピュータテレフォニー製品の開発を手掛けるDialogicを7億8000万米ドルで買収し、IntelのEnterprise Server Groupの子会社としている。

 そして2000年には、13億米ドルを投じて、デンマークの光ネットワークチップメーカーであるGIGAを買収し、Level One Communicationsに属する子会社とした。

 米国の市場調査会社であるForward Conceptsでプレジデントを務めるWill Strauss氏によると、Intelが1999〜2001年の間に、前述の企業の他、小規模な通信機器メーカーなどを買収するために費やした金額は、合計で100億米ドルに達するという。同氏は、「こうした数々の買収の中で、Intelに利益をもたらしたり役に立つなどしたものは、ただの1つもなかった」と述べる。

 Intelが買収したこれらの企業に、一体何が起こったのだろうか。

 Strauss氏は、「買収された企業の大半は、Level One CommunicationsのようにIntelに吸収され、そして消えていった。中には、売却された企業もある。例えばDSP Communicationsは、ARMベースの『StrongARM』アーキテクチャと併せて、6億米ドルでMarvell Semiconductorに売却されている」と述べている。

 また同氏は、Intelが通信ソフトウェアソリューションプロバイダであるTrillium Digital Systemsを3億米ドルで買収した件についても取り上げ、「Intelはその後、Trillium Digital Systemsを約1000万米ドルで売却した。その売却先の企業は、後にRadisysによって買収されている」と述べる。

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