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ローム、SiCウエハー検査装置の最新機種を採用:表面と内部の欠陥を同時に検査
レーザーテックは、同社のSiCウエハー検査装置の最新機種がロームに採用されたと発表した。SiCウエハー表面の各種欠陥検査と内部欠陥を同時にかつ高速で検査できることを強みとしている。
レーザーテックは2015年8月、同社のSiC(シリコンカーバイド)ウエハー欠陥検査/レビュー装置の最新機種「SICA」がロームに採用されたと発表した。同社は、「パワーデバイス分野でSiCを中心に世界をリードするロームが、SiCデバイスのさらなる製品品質向上と生産体制の強化に向けた取り組みとして採用を決定した」とリリース上で語る。
表面と内部の欠陥を同時に検査
SiCは、次世代パワー半導体の新たな材料として大きな注目を集め、本格的な普及に向けて、SiCウエハーの高品質化への要望が高まっている。中でも、研磨プロセスやエピタキシャルプロセスは、ウエハー品質を決定する重要なプロセスとなる。特に、ウエハー表面のスクラッチやエピ欠陥に加え、エピ膜内部の基底面転位や積層欠陥を高速に検出・分類し、欠陥を低減することが高品質確保と歩留まり向上で重要になるという。
SICAは、ウエハー表面の各種欠陥検査とフォトルミネッセンスによる基底面転位や積層欠陥などの内部欠陥を同時に、かつ高速で検査することを可能にしている。
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