ニュース
キヤノンのプリント技術は物体の“質感”を再現する:歴史的文化財に直接触れられる?
キヤノンは物体の質感情報をプリントで再現する画像処理技術を開発したと発表した。作品に直接触れる鑑賞や、オリジナルの作品を良好な環境で保存するといった活用が見込まれているという。
キヤノンは2015年9月8日、照明の方向や見る角度で変化する物体の質感情報をプリントで再現する画像処理技術を開発したと発表した。質感情報とは、物体の光沢感、立体感や透明感のことを指す。
歴史的文化財を直接触れられる?
今回開発された画像処理技術は、最初に同社のデジタルカメラを複数台用いて対象物を撮影する。撮影した画像から、微細な凹凸や光沢などの質感情報の数値化を行う。数値化された情報をプリンタの特性に応じて制御することで、オリジナルの質感を再現しているという。
今回の技術は上記の写真のように、金属や生地、質感のプリント表現も可能にする。油彩画などの貴重な歴史的文化財を複製することも可能だ。そのため、同社は「作品に直接触れることができる新しい鑑賞方法や、オリジナルの作品を良好な環境で保存するといった活用も見込まれている」とリリース上で語る。
同社は、これまで培ったプリント技術に加え、今回の画像処理技術を強化することで、インテリア素材や広告看板、商品パッケージなど適用先の拡大を目指すとしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 小型イメージセンサーで大型並みの画質を取得する技術「無限高画質」を発表――東芝
東芝は、スマートフォンなどに搭載される小型のイメージセンサーでも、大型イメージセンサー並みの高感度でノイズの少ない画質を取得する画像処理技術を開発したと発表した。 - 富士通セミコンとライカが画像処理システムを共同開発
富士通セミコンダクターは2014年9月17日、ドイツのLeica Camera(ライカ)と共同で次世代ハイエンドカメラ向け画像処理システム「MAESTRO II」を開発したと発表した。 - 名刺サイズながらPCレスの画像認識システムを実現――ルネサス子会社
ルネサス セミコンダクタ パッケージ&テスト ソリューションズは、画像認識ソリューションとして名刺サイズの小型画像認識ボードや画像認識ユニット、ソフトウェア開発環境などを「画像センシング展2014」で展示した。 - 半導体ベンチャーのザインエレが初参加、画像処理ICの新製品などを披露
半導体ベンチャーのザインエレクトロニクスは、「人とくるまのテクノロジー展2014」において、画像処理IC「THP7312」や高速シリアルインタフェース「V-by-One HS」に対応する送受信IC「THCV219/220」などを展示した。