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ナノインプリント開発の進展状況をキヤノンが講演(3)〜生産性と欠陥密度SEMICON West 2015リポート(10)(3/3 ページ)

ナノインプリント・リソグラフィでは、ウエハー1枚当たりの処理時間を短縮しようとすると、欠陥密度が増加する傾向にある。だが要求されるのは、生産性の向上と欠陥密度の低減だ。キヤノンは、こうした“二律背反”の要求に応えるべく、リソグラフィ技術の改良を重ねてきた。

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ナノインプリントに特有の課題「パーシャルフィールド」

 講演者のResnick氏はさらに、ナノインプリント・リソグラフィに特有の課題「パーシャルフィールド(ここでは「部分露光領域」とも呼称する)を取り上げて詳しく説明した。

 ナノインプリント・リソグラフィでは、長方形の領域に対してパターンの転写を繰り返すことで、ウエハー全体にパターンを転写していく。この長方形の領域「露光領域」の大きさは横26mm×縦33mmである。

 シリコン・ウエハーは円形をしている。直径300mmの円形のウエハーを長方形の領域で区切っていくと、ウエハーの周辺部では「露光領域」がウエハーの端からはみ出てしまう。このような領域を「パーシャルフィールド(部分露光領域)」と呼ぶ。一方、ウエハーの中央部である、露光領域全体がすっぽりと収まる領域を「フルフィールド(完全露光領域)」と呼ぶ。

 パーシャルフィールドの存在は無視できない。直径300mmのウエハーに対し、露光領域数の約3割がパーシャルフィールドになる。言い換えると、パーシャルフィールドを捨てることはできない。シリコンダイの収量に与える影響が大きいからだ。

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フルフィールドとパーシャルフィールド。露光領域が26mm×33mm、露光領域間の境界(ストリート)の幅を0.05mmとすると、直径300mmのウエハーでは84箇所の露光領域が存在する。その中で26箇所がパーシャルフィールドになる(クリックで拡大)

(次回に続く)

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