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水害の予測に応用可能? 76GHz帯のミリ波発振器基板上にはガンダイオードの実装のみ

日本電波工業は「センサエキスポジャパン」で76GHz帯のミリ波発振器を展示した。展示では、76GHz帯ミリ波発振器を用いたセンサーで物体の距離と速度を非接触で検知する様子をデモ。同センサーはゲリラ豪雨や津波といった自然災害発生の予測に応用できるという。

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天候に左右されない検知が可能

 日本電波工業は、「センサエキスポジャパン2015」(東京ビッグサイト)で76GHz帯のミリ波発振器を展示した。

 76GHz帯ミリ波発振器は、ガンダイオードとバラクタダイオードを同一平面に収納したプレーナー構造となっている。寸法は13×14×3mmと小型であるが、20mW(10dBm以上)の高出力を実現。位相雑音も−100dBc(1MHz時)と低くなっている。雨や雪など天候が悪かったとしても、検知ができるのがミリ波の特長だ。

 ミリ波発振器にガンダイオードを使うメリットはどこにあるのだろうか。同社は、「モノリシックマイクロ波集積回路(MMIC:Monolithic Microwave Integrated Circuits)と比べて、半導体素子の開発費用が少なくて済む。発振器としても、部品構成の簡素化が可能になる。高い周波数を選択しているため、アンテナを小さくすることもでき、センサー全体をコンパクトに設計できるといったメリットがある」と語る。


76GHz帯のミリ波発振器。 (クリックで拡大)

自然災害発生予測に応用が可能

 展示では、76GHz帯ミリ波発振器を用いたセンサーとして、検波器やドップラーセンサー、FMCW(Frequency Modulated Continuous Wave)センサーを紹介。今回は会場でデモが行われていたFMCWセンサーを紹介する。

 FMCWセンサーは、物体の距離と速度を検知できるため、河川や海などの水位が検知可能だ。そのため、河川の氾濫や津波などの自然災害発生の予測に応用できる。現行の可視レーザー距離計では、水を透過してしまい距離を誤認識する場合がある。しかし、ミリ波は水を透過しないため、誤認識をすることがないという。デモは、展示の上部にFMCWセンサーを設置。対象物までの距離を正確に測れることが分かった。

左=上部に設置してあるFMCWセンサーのミリ波で水面までの距離を直接検知している。現在は距離が1.68mだということが分かる。/右=FMCWセンサーと水面の間に鉄の板を挟むと、鉄の板までの距離を検知する。河川や海に設置した場合、水位の上昇を検知し、危険信号を送るといった応用が可能になる (クリックで拡大)

 76GHz帯ミリ波発振器は既にサンプル出荷を開始。サンプル価格の公表はしていないが、1個からの少量受注対応も考えているという。同社は「今回紹介した用途に限らず、警備や見守りなどに応用ができ、多種多様な展開が可能である」と語る。

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