「Skylake」のIMVP 8準拠の電源IC:実装面積を半減、電池使用時間は長持ちに(2/2 ページ)
インターシルは、パワーマネジメントIC(PMIC)「ISL95852」とバッテリーチャージャIC「ISL95521」を発表した。Intel製Coreプロセッサ「Skylake」に対応したもので、従来に比べて電源回路部の基板面積を半減することができ、バッテリー駆動時間の延長を可能とする。
HPBとNVDCの両モード対応
ISL95521は、HPB(Hybrid Power Boost)モードとNVDC(Narrow VDC)モードの2つの充電アーキテクチャに対応できるコンボバッテリーチャージャIC。一般的に業務用ノートPCで用いられるHPBモードと、タブレット端末などで用いられるNVDCモードを、一つのチップで対応することができる。同社は「1個のICで両モードに対応できるICは業界初」と主張する。
充電モードの切り替えは端子の設定で行うことができる。このため、業務用ノートPC向けでもタブレット端末向けでも、ISL95521を採用すれば、電源回路を再設計することなく複数の機器に利用することができる。
充電電流精度1.2%、10〜20分長く
充電電流精度は1.2%と高い。このため、極めて満充電に近い状態まで蓄電が可能となる。この結果、タブレット端末などでは電池の使用時間を、競合製品で充電制御した場合に比べて10〜20分長くできる可能性があるという。
また、HPBとNVDCのいずれの充電モードにおいても、2〜4セルのリチウムイオン電池とシステムのターボブーストモードに対応している。これにより、内蔵した電池とACアダプターを連係動作させることが可能だ。例えばシステム負荷がACアダプターの供給能力を一時的に超えた場合、電池側から不足する分を給電することができる。
ISL95521は、外形寸法が4×4mmの32端子QFNパッケージで供給する。価格は一括で1000個購入時に単価が2.49米ドルとなっている。
同社は今回の2製品に先駆け、2015年4月にSkylakeペリフェラル向けのPMIC「ISL95908」を発表している。タブレット端末などに内蔵されるフラッシュメモリやUSB/HDMIインタフェースIC、カメラモジュール、各種センサーICなどへの電力供給に向けたPMICである。今回発表した2製品を加え、同社は3チップ構成でSkylake搭載システムに対応するIMVP 8ソリューションを提案していく考えである。
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