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中国VeriSiliconが米Vivanteを買収へ:両社のCEOは兄弟(3/3 ページ)
中国のIPプロバイダーでカスタム半導体の設計サービスも手掛けるVeriSiliconは2015年10月12日、米GPU IPベンダーVivanteを買収すると発表した。買収を通じ、自動車市場でのビジネス強化などを図る方針。
IPのカスタマイズが可能に
多くのODM/OEMメーカーやサービス企業が、ライセンスIPをカスタムチップやカスタムサブシステムに変更することを望んでいるが、それは口で言うほど簡単なことではない。
Wayne Dai氏は、「これこそが、VeriSiliconの担うべき役割だと考えている。当社は、幅広い世代のプロセス技術に向けて、独自技術とミックスドシグナルIPポートフォリオを組み合わせた、カスタムシリコンのターンキーサービスを提供する。28/22nm FD-SOIや、FinFETなどの最先端プロセス技術をサポートする他、SoC向けのプロダクトエンジニアリングサービスや、SiP(System in Package)なども提供していく」と述べる。
また同氏は、「設計サイクルの短縮や、品質の向上、リスクの低減なども実現する。VeriSilcionの柔軟性に優れた幅広い設計ソリューションは、半導体関連の新興企業だけでなく、実績ある半導体メーカーにとっても魅力的であるはずだ。OEM/ODMメーカーや、大規模なインターネットプラットフォーム企業も、ソリューションを必要としている」と述べている。
VeriSiliconとVivanteの合併成立には、両社の株主の承認を得ることを条件としているが、2015年中には合併が完了する見込みだ。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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